かつては10回に2、3回は絶対建物にぶつかっているだろうと思われる市街地での超低空飛行が名物だった啓徳空港も移転してしまい、超高密度違法建築として名高い九龍城砦も姿を消してしい、かつての妖しさを徐々に失いつつある東洋の魔都。

何と言ってもイギリス植民地だったのが中華人民共和国の一部になってしまい、大陸からの筋金入りのウルトラおのぼりさんが闊歩する街、香港。

そんな中国人相手に不必要なまでにハイテク社会を爆走する街、香港に行くきっかけになったのは次のニュースだった。

タイガーバームガーデン取り壊し始まるか？

…思えば私が珍寺好きになったきっかけが10数年前タイガーバームガーデンを見てしまってからなのだ。

それからの私は日本のタイガーバームガーデンを捜せ！の合い言葉を胸に西に東にうろうろしていたのだ。

そのタイガーバームガーデンこと胡文虎花園がいよいよ姿を消すというのだ。

かつてから取り壊しの噂が絶えず、ここのところは完全に閉鎖されていたようだがついに年貢の納め時らしい。

見出しの最後の「か？」に望みを託しいろいろな意味でお世話になったタイガーバームガーデンを見納めに香港に降り立ったのである。

ある意味日本よりも進んだ社会システムだったりして日本人である私としてはチョット尻に火がついたような思いだったが、九龍半島の先っぽ、尖沙咀に行けば相変わらずのド派手な道路横断看板と様々な爆音と色々な人の大洪水でちょっとホッとしました。