天后廟 /淺水灣 Repulse Bay


香港島の中心部の反対側である南岸は海洋公園や水上レストランなど郊外的な施設が多いのほほんとしたエリアだ。

その中の淺水灣の海水浴場のはずれにこんな素敵な風景が。

ほとんど冗談でつくったとしか思えない風景だ。まさに↑天下第一湾の看板に偽りなし、である。

これぞタイガ−バ−ムガ−デン亡き後、ホンコン珍寺界の首座を虎視眈々と狙っている天后宮である。

波打ち際にある珍しい寺だ。ここは香港指折りの観光地でもある。

団体ツアーの定番観光コースでもあり世界各国の団体観光客がカメラをぶら下げてうろうろしている。

日本のオヤジ様相手に「シャチョー、シャチョー、エッチナらいたー3個で1000え〜ん、しぇんえ〜ん」

と往年のノムさんの囁き戦法を彷佛とさせる商売を展開する土産売りなども健在だ。

 

 

さて、年も改まりこれが初詣となる私は(ちょっとだけ)神聖な気持ちをもって本堂に入り拝もうとした。

‥すると‥

立派な本殿の建物は何と売店兼貸しボート屋になっており、中にはボートが積まれていたのだ。

もちろんかつては寺院だったのだろうが、何処がどうなったのかボートの山である。

危なく拝んでボート崇拝者になるところを踏ん張り、冷静を装いつつ缶ジュースを買って外に出た。

 

という訳で、ここが現在も宗教施設として機能しているのかははなはだ疑問である。

しかし観音様やその他これから紹介するおぞましいばかりの仏像たちには線香などが手向けられており、人々にはそれなりに信仰されてはいるようである。

  

さて、観音像と天后像である。高さは6メートル位だろうか。

2体並んでいるが、人気があるのは観音様の方。

天后像の左サイドのピンクのものは椅子に架けた着物なのだろうが四角いところに何やら漢字が刻み込まれていて近くで見るとドロドロに溶けた建物にしか見えないぞ。

で、今やボート小屋に身を落した建物の裏手にはこんなクドい庭園が。

龍は全部タイルモザイクで出来ている。手前の紺色のモノは井戸です。

ここの像はほとんどがタイルモザイクによって仕上げられているのできっつい原色が目に痛いくらいダイブしてくる。

 

表にまわって先程のボート小屋の右手前には海にせり出したこんなスペースが。

  

もはや誰も手を付けられない暴走ぶりである。

  

素敵な髪飾り

  

鯉の上に乗る赤ちゃん。向こうに見えるのが風水を採り入れてビルのどてッ腹に四角い穴をあけたというザ・レパルスベイ。

こじゃれたテナントビルときっつ〜い観光地の取り合わせの妙よ。

コレは風邪には改源、のあの人でしょう。え、知らない?あ、スミマセン。

燃えるような色合いの廟。まさにThis is香港

屋外でこの色彩をキープするにはタイルモザイクが一番いいのだろう。ペンキ塗りでは退色してしまうし。

とかくカラフルな香港の寺だがその中でもトップクラスのド派手なところであった。

 

振り返れば中国内陸部から来たと思しきどぶ鼠色のスーツに斜め掛けボストンバッグ(人工皮革、黒)のおっさん集団が我先にと何かに憑かれたように貝殻を拾っていて、そのイッちゃった目付きは何者をも近付けない雰囲気をビーチ中に漂わせておりました‥

 

俺の初詣をかえせ〜

 


次へ行きましょう         香港珍寺遊戯に戻る        珍寺大道場に戻る