ワット ムアン/アントン県

WatMuang/AngThong


 今回のアントン行きのハイライト、ワットムアン。

車は徐々にワットムアンに近付いていく。

遠くから大仏が見える。かなり大きいぞ。

近付いてみると工事中だった。

頭半分が未完成だが40メートル級と見た。座像としては破格の大きさである。

もしかしたらスファンブリ県のあのワットパイロンウアや先程訪れたシンブリのワットピクントンの大仏よりも大きいかも。
木の足場に囲まれた大仏の図も巨大ロボっぽくて悪くない。

完成が待たれるところである。

さて、大仏の隣がワットムアンの心臓部、コンクリ像がところ狭しと密集する彫像ガーデンだ。

 園内の中心には中華風味の廟や観音像があり、それらを取り囲むように様々な群像が並ぶ。

神様大集合といった面持ちだ。

今、放映中の西遊記も。

タイの神様も負けていません。

羅漢像や道教の導師なのだろうか。塗り立てのようなペイントが眩しい。

そんな神様大集合!なエリアを抜けると今度はタイの歴史コーナー、なのだろう。

ビルマ族との闘い(だと思う)の一大立体絵巻が展開されている。

最初は農民同士の争いが、いつしか軍隊同士の戦いに。

しまいには神様同士の闘いになっていて収拾がつかなくなっている様子。

こっ、これは・・・

食事の前には神への祈りを忘れないように、との教えだと思う。多分。

 

さて、そんなタイ版関ヶ原ウォーランドを抜けると今度はいよいよお待ちかねの地獄ゾーンである。

如何であろう。このドンキもビックリの圧縮陳列っぷり

考え得る限りの責め苦が展開されている。

これはまさに地獄の男祭り!

凄い!これはヘブンだ!いや、スーパーヘブン!いやいや、ウルトラヘブンだあ!・・・あ、地獄でしたね。

もちろんタイ地獄界のお約束、巨大べロ出し男女像も。

おっと、腰巻きの下から大事なモノが見えちゃってますよ。

この地獄の特徴は人物像がほとんど肌色と赤のみで構成されている点だ。

大抵、責め手は恐ろしい形相のカラフルな鬼だったりするのだが、ここのは赤い腰巻きに鉢巻といったいたってシンプルないでたち。

そして何故か全員ヒゲオヤジ。で、無表情。

まるでゴルゴ13のようにつまんなそうに職務を推行するだけの光景は逆に責め苦の残虐性を際立たせている。

色数をグッと押さえたオシャレな表現・・・とでもいうんでしょうか。

大量の亡者を「処分」出来るように大鍋も二つ揃えてあるぞ。

頭が動物になちゃった人達。生前これらの動物を殺めたという事か。

やけに貧相なタイガーマスク?

勿論トゲトゲの木も。

犬に噛み付かれるわ、カラスに突かれるわ、ヤリにも刺されるわで散々な事になっている。

責められる方もほぼ肌色一色。それだけに血の赤が印象的だ。

機具を使った様々な責め苦。

万力責め、吊り具責め。

 

ローラー責め、あとは・・・大地を支え責め!

地獄の亡者達は後から腰巻きを付けられている。

やっぱり近所の教育ママが「ここの地獄はチ○コ丸出しで子供の教育に悪いザンス!」などとクレームを入れたのだろうか。

チン○を隠すかどうかよりも、問題はもっと別のところにあるように思うんですけど・・・

これは私個人の感想だが、どうもタイの人達はこういった残虐シーンにあまり抵抗がないように思える。

コンビニやスーパーに行けばいわゆるクライムマガジンというのだろうか、事故や事件の被害者の哀れな姿がこれ見よがしに映っている写真週刊誌が人気だし、バンコクのシリラートの博物館には「いいのか、コレは」と思えるような展示がある(そうだ)。

・・・要は好きなんでしょう。

生死観の違いといえばそれまでだが、これらの残虐シーンを薄ら笑いで眺められる神経は静謐な印象のタイの人々のもう一面を見る思いだ。

いや、アタシも薄ら笑いで見てるんで、人の事どうこう言う資格など全然ないんですけどね・・・

最後は仏様に神(?)頼み。

このイカれた、じゃなくてイカした彫刻ガーデンは10年程前から造られ始め徐々に増殖しているそうだ。

今後も増え続ける可能性大のタイ地獄界注目のスポットである。

 

地獄エリアを抜けると今度はやけにビカビカしたお堂が現れる。

中に入ってアラ、びっくり。

ぬあ〜んと、壁と天井と柱が全部鏡張りになっているのだ!まるで「燃えよドラゴン」の鏡の間みたいだ。

前後左右上下鏡張りなので(あ、下は違いますね)、とても広く見える。大勢の人が参拝に訪れていたが、その参拝客も見た目5倍増。

そんな中に金色のウンコが!・・・な筈もなく建設中の大仏に奉納する螺髪を募集していたのだ。

1個500バーツ(1500円)、という事なのだろうか。安い!

鏡張りのお堂の後ろには大仏さんが「早く俺の髪型決めて〜な」と控えている。

さて、散々楽しんだ挙げ句、やっと本堂に辿り着いた。

本堂は巨大な蓮の花びらに囲まれていた。

とことん普通のスタイルがお嫌いな様である。

蓮の花の中に入る。花びらの内側には仏像がズラリと並んでおり、写真が掲げられている・・・もしかして亡くなった人の供養?

本堂の中だけは比較的オーソドックスなスタイル。参拝客も地獄や鏡張りのお堂に比べたらひっそりとしていた。

壁にはズラリとお釈迦様の一生を描いた仏画が並ぶ。

怒濤のサービス攻撃に少し疲れたので休憩がてら仏画を眺めて精神的クールダウンをはかる。

他の寺でも良く見るが、タイの仏画ではお釈迦様は蓮の花に乗っている。

コレがホバークラフトみたく動くのだろうか。欲しい。

本尊の対面にあったお坊さんの絵だけがやけにハイパーリアリズムで怖かったです。

えええっ!何だぁコレ。お布施の代わりにオラの血で勘弁してけろ、って事?

 

何かにつけ過激で過剰な寺でした。

 


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