台湾大佛列伝6





九份老街





台湾リハビリ旅もいよいよ最終日。


この日は予備日として特に予定を立てていなかったのだが、九份に行くことにした。

九份とはかつての金山の街で、映画「悲情城市」の舞台にもなった台湾屈指の観光地だ。

というのも実は友人の某コレクター氏からもし台湾で九份に行くなら買ってきて貰いたいものがある、と言われていたからだ。

台湾であまり観光地に行ったことがないのだが、友人のお遣いもかねて九份行きのバスに乗る。

バスが九份に近づくにつれ雲が厚くなってきて、九份に着いた時には物凄い豪雨になっていた。




九份は狭い坂道の街だ。

今は観光地なので土産屋や飲食店が連なっており、雨だというのに大勢の観光客が来ていた。




濡れた石畳の坂道は滑りやすい。

何故か臭豆腐の屋台が目に付く。




有名な阿妹茶楼。

九份の観光ポスターは十中八九この建物の写真だ。




とにかく狭い。そして雨がひどい。




もう雨が酷くて観光どころではない。




という訳で早くも心が折れてしまったので、友人のお遣いだけ済ませよう。




地図を頼りに向かったのは仮面の博物館。

かなり個性的な仮面を作った人が自分で立ち上げた個人ミュージアムである。

ここでとある仮面を買ってきてほしい、という密命を受けたのだった。

で、行ってみたらシャッターが閉まっていて、近所の人に聞いたらああ、もうなくなっちゃったヨ、との事。

残念だが、無くなったなら仕方がない。



と、思ってたら道端にこんなポスターが。



むむむ。

何か怪しげな展示っぽいぞ。

しかもよく見ると先程の仮面の博物館にあった仮面があるみたいだ。

よし、とりあえず行ってみよう。




で、行ったのがこちら。

導覧 鬼奇伝説特展 というタイトル。

お化け屋敷というか見世物小屋というかそんな雰囲気だ。




取り敢えず入ってみる。

雨が強かったので屋内施設は助かる。




中に入ったらいきなり例の仮面が並んでいた。

受付のおばさん(ここのオーナーらしい)に聞いたら閉めた仮面館から幾つか譲り受けたのだという。




おお、たくさんあるが、ごくごく一部だという。

ここのは主に中国台湾を中心にしたアジア各国の呪物などが展示されている。




タイのクマントーン。

胎児や赤子の遺灰を使って作った呪物。




もちろんレプリカですが。





見世物っぽい展示ばっかりかと思ったら案外民俗学的な展示もあり、しかも日本語のキャプションもあり、とても勉強になりましたよ。




食鬼大将と呑精大将。

いずれも道教の神様だ。




食ってます。




飲んでます。

悪魔封じの意味があるらしい。





無常の一種。

無常とは道教の死神のようなもの。

無常自体は台湾の道教寺院でもよく見かけるが、それらはもっと恐ろしい表情の像ばかり。

これは何かの儀式(葬式とか)に使われるものなのだろうか。





左から悪魔払いの定規。

子供のオシッコ。

拷鬼杖。

どうやって使うのやら。




千里眼と早耳。

媽祖に鎮圧されたので媽祖像の脇侍としても有名。




人魚のミイラ。




キョンシー。

この辺になると見世物チックな感じになってくる。




チベットの人頭太鼓。

チベットには人骨を利用した楽器が多い。

我々東アジアの人間とは死生観が違うのかも知れない。




この辺も例の仮面だろうか。




髪の伸びる人形。




最後に記念撮影コーナー。

アナタも生首になれます。





結局コレクター氏の所望の仮面は見つからなかった。

面白いしチョットだけ勉強になったし、まあ、いいか。




この後、ランタン飛ばしでお馴染みの十份に行こうと思ったが、天気が悪いので断念。

バスで台北に戻った頃にはすっかり良い天気。

台北市内で博物館や夜市やマッサージなど行って帰国する。


何とも締まらない一日だったが、旅の最終日っていつもこんな感じだったなあ。



というわけで台湾リハビリ旅はこれにておしまい。

次はどこへ行こうかな?





最後におまけ

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