稲積昇龍大観音/大分県豊後大野市


大分県南西部にある豊後大野市。

平成17年に5町2村が合併して出来た新しい市である。



その旧三重町に位置する稲積水中鍾乳洞の敷地内に大分県最大の大観音がおわす。


場所は三重町の中でも相当辺鄙なところ。

山間部にあって周辺はキャンプ場とか渓谷とか蛍とか名水とかそんなんばっか。
とても県下最大の大観音サマがいらっしゃるとは思えない。



山間の道を走っていると…おおお、現れました。金ピカ大観音サマ。

南からアプローチするとカーブの先に現れるので、夜に知らないで運転してたらさぞかし驚く事であろう。

人っ子一人いない山間部の山道でヘッドライトに金色の大観音が照らされる訳ですから…



駐車場に車を停め早速大観音に向かう。

ちなみにここのメインはあくまでも鍾乳洞なので入場券を買う際に「ハァハァ…だっ、大観音はどこですか?」とか前のめりで質問すると(ってデカいから聞くまでもないけど)怪訝な顔をされるので充分に御注意ねがいたい(体験者;談)

ちなみに私が見た限り観光客の関心具合カーストは以下の通り。

水中鍾乳洞>トルマリン天然水販売>美術館>御食事処>オモチャ館>大観音サマ

    







場内には何組かの観光客やカップルが訪れていた。

辺鄙な場所なのでチョット意外だった。


もちろん皆様鍾乳洞に直行。

で、鍾乳洞から出てきてから大観音に向かう人もほとんどいない。

人気ないなー。仕方ないか。



    

もちろん大仏舎弟である私は鍾乳洞など後回しで大観音に直行するのである。

大観音サマまでの歩道の両脇にはお地蔵さんが並んでいて、関心の薄い観光客を観音サマへと誘っている。

その涙ぐましい努力に感動しつつ大観音サマに向かう。





ハイ、観音サマのお出ましでございます〜。


    


平成17年開眼、高さ22メートル。堂々のFRP製。


大分県最大の観音像である。



昇龍大観音、ということで足元に2匹の龍が絡み付いている。








足元には小さなお地蔵さんが一周している。



真下から見上げると中々の迫力である。





ところで…この大観音像、どこかで見たような気が…

はい、福岡の香山昇龍大観音ですね。

    
左;ここの昇龍大観音             右;福岡の香山昇龍大観音

データ的にはここの昇龍大観音が22メートル、福岡の香山昇龍大観音が台座込みで28メートル。

同じ原型から作られた像なのでしょう。同じ型から抜かれたのかな?



直線距離で100km弱に位置する九州の兄弟大観音として兄者に負けぬよう頑張っていただきたいものである。






ちなみにこちらは台湾にあるほぼ同サイズの昇龍観音。
龍のくねり具合や観音サマの袖など微妙にカタチが違うのがおわかりだろうか。

    
左;ここの                         右;台湾の







あ、そういえば文字が出るお線香も福岡の香山昇龍大観音で大プッシュしてたなあ。


近くにあったボケ封じ観音もご覧の通り。

     
        左;ここのボケ封じ観音        右;福岡の香山昇龍大観音のボケ封じ観音





大観音の周りを囲むように仏像が並んでいる。



一見ブロンズ風だが、多分FRP製。



さらに七福神も…




かなりはしゃいでる大黒恵比寿の御両人。

    

むむむ。この七福神もどこかで見たような気が…

俺画像サーチで脳内検索スタート!

ピピピ…ああ、これだ!



実はコレ合掌ゲートでお馴染み同じ大分県内にある旧善徳院にあった七福神。


…ということは、ここのを持ってきたのかな?







まあ、最近はFRP製の仏像が増えてきたので、こういう「同じ形の仏像があっちこっちで出現現象」が今後日本のあちこちで増えてくるんでしょう。


実際、10メートル級のFRPの不動明王って日本中で同じの見ますもん。

何もコスト削減は企業だけの専売特許じゃないですからね〜。



ここで本日の名言;
「知らん仏より知ってる鬼の方がましじゃけんのう」
(仁義なき戦い代理戦争より もちろん広能こと文太兄ィの名セリフ)。







大観音サマの周辺には鍾乳洞やら博物館など地味なオマケの観光施設がいくつかあるが、そんなモノは大観音の面白さに比べたら小さい小さい。誰ですか〜、鍾乳洞の添え物だなんて言ってるのは〜。

何といっても大観音サマが一番の目玉!なんです!…誰もいないすけどねっ…

そのうちのひとつ、オモチャ館



なつかし系のオモチャやポスターなどが並べられれいる。一番面白かったのは積み木くずしのポスターと大霊界のポスターかな。





で、お次は美術館



文化祭みたいな仮設の壁に並ぶ泰西名画の数々。

あ、何の絵かは確認しませんでした。

だって絵の周りにあるモノが気になっちゃって気になっちゃって。

    


名画(多分)の奥には祭壇があってこの建物がお寺だということがわかる。

開世寺というお寺だそうで。台湾でよく見かける仏陀タワーが左右に立っていた。





さらに敷地の片隅に滝が流れていて大きな弘法大師が立っている。



こちらもブロンズ風の塗装が施されたFRP像である。

    

近くには六地蔵。



アンド水子地蔵。




開運白蛇堂。

    


鐘突き堂にあった観音像。



むむむ。コレもどこかで見たような…

再び脳内画像検索スタート!

ピピピ…あ、コレか…
    

別府大仏跡地に建つ別府大仏の模型、の脇にあった観音像。







ちなみに水中鍾乳洞は実に美しく(って奥まで見なかったんですけど)、大観音抜きでも充分楽しめると思います。普通の人は。

あと周辺の川も含めて水が恐ろしいほど奇麗で、トルマリン天然水もメチャ旨かった事を付け加えておきますね。



2008.08.
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