香山昇龍大観音/福岡県杷木町
福岡の原鶴温泉の香山の上にブロンズ製の大観音がある。
その名は昇竜大観音。完成は昭和62年8月。卯年の乙女座ですね・・・
昇竜観音として日本一の大きさを誇る大観音というキャッチフレーズである。
(※「昇竜観音として」のところを見落とさないように御注意下さいませ)
高さは28メートル、70〜100メートル級がボコボコ立っている現代の大観音の世界ではフライ級といったところだが、昇竜観音というフレーズがとても気になる。
昇竜観音ってもしかしたら龍に巻き付かれてギュウギュウ締めつけられてるんじゃあないのか?
それはつらそうな観音様だ、と御心配の貴兄、とくと御覧あれ。
これが(昇竜観音として)日本一の大観音像だああ!!!!
・・・あ、間違えました。コレは大観音像の前にあったぼけ封じ観音でした。
こっちがホンモノの昇竜観音。
足元に龍が2尾からまっている。良く判らないんですけど昇竜観音って他にもあるんですかあ?聞いた事ないんすけど。
ブロンズの風化具合なのか何か特殊なコーティングでもしてあるのか衣の部分と肌の部分がツートンカラーに色分けされている。
コンクリートなどののぺっとした大観音よりもメリハリが効いていて美しい。
観音像の前には仁王像が立っている。その手前に大きな香炉があり、絵付きの線香が燃えている。
聞けばこの線香、火をつけると一本一本違う観音様が現れてありがたやありがたや、という塩梅らしい。
お寺の人が流れるような口調で線香を販売していて結構観光客の皆さんが一生懸命線香を購入している。
どうでもいいけど線香とロウソクだけ売ってても商売にならないでしょう。拝観料とか徴収しないでいいんでしょうか。
足元には十二支守り本尊を安置した小屋がずらりと並んでいる。
そして台座の裏側に外階段を発見!
お、中に入れるのか?階段を登り、ドアを開けようとするとカギがかかっていた。
それもそのはず。ドアの明かり取りから覗くと中はがらーんとしてました。
これじゃあ拝観料とかとれないわな。
この観音像、建てたのは地元杷木町の事業家&町長の林一二三というお方。
与論島のコーラルホテルもこのお方の建設だとか。町長の職を退いた後、この観音像建設に乗り出したそうだ。
何でも少年時代に観音様が夢枕に現れて「私が見守ってやるから必ず成功させる。成功したら俺の像を建ててくれ。」という約束を結んだそうな。
今では中々聞く事の出来ない熱いサクセスストーリーが記念碑に刻まれてました。
で、土産屋で絵葉書を買ってみると中には剥製がジオラマに並ぶ「知られざる世界の動物館」なる素敵な絵葉書が。
「この動物館ってどこにあるんですか」と聞くと
「ああ、ここにあったんだけど潰れちゃったよ」だって。
そういえば絵葉書に自然動物園と称して鹿の写真もあったが、それも無さそうだったなあ。
本堂の横におっそろしい面構えのロシアの犬っていうのがいたけど、その名残りなのだろうか。
大観音の前には湧き水があって一杯飲んでみたがすっきりとして美味しい水でした。
我が愚息曰く
「うん、旨い。これは霜降りの天然水だね」
ってオイオイ・・・
2002.11.
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