小豆島の洞窟寺院巡り
小豆島大観音(再訪)
小豆島洞窟寺院の旅、早くも寄り道をする、の巻。
しかも寄り道先は以前訪れたことのある小豆島大観音。
(以前の訪問記はこちら)
だってこんな素敵な大観音があったら素通り出来るわけがないじゃないの!
…と軽くセルフ切れしつつ、灯りに群がる虫のごとく大観音に吸い寄せられていくのであった。
野を越え
山越え
谷越えて
うっとりするほど素敵な大観音の足元に到着するのであった。
大きさは60mかそれ以上はありそう。
高さ○○メートルからはじまって指の長さから鼻の穴の大きさまで数値化するのが大仏界の常套手段。
しまいには奈良の大仏の何倍とか手のひらに奈良の大仏が乗りますとか奈良の大仏より○メートル高いですとか、どんだけ奈良の大仏をライバル視してるんだ、的なサイズ比較をしたりして、奈良の大仏を心のお父さんと思い込んでいる私(大丈夫か、俺?)を軽く凹ませてくれるのだが、この大観音はサイズ等々一切非公開。
それどころか以前、直接聞いてみたのだが「信仰の対象である観音様なので高さはお教えできません」的なコメントをいただいた。
まあ、懐に忍ばせてある測距計で測ってもいいのだが、お寺サイドの意にそぐわない行為なのであろうからココは「おっきいなあー」というコメントだけに留めさせてもらいますわ。
尤も大きさよりもこの大観音に於いて特徴的なのは細工の細かさとデッサンの正確さ。
世間には巨大化したゆえに形状がおかしくなっちゃっている大観音がごまんとあるが、ここの大観音は非常に端正なプロポーションで美しい表情だ。
さらに冠や首飾りなどのアクセサリー類も非常に細密に作られている。
日本で一番美しい大観音というキャッチフレーズにほぼ間違いはないように思える。
歳を重ねるごとに演技力が学芸会レベルに近づいていく天才女優、松坂慶子を髣髴とさせる「まぁ!」的なポーズが素敵だ。
というわけで早速中に入る。
内部は以前訪問した十数年前とほぼ変わっていないようだ。
このソファーも以前からあったような記憶がある。
大きな数珠が飾ってあった。
そこから先は金色の観音像が延々と並ぶ。
ブラックライトと金色の組み合わせ。浮世離れ感が半端ない。
並んでいる仏像は全て大観音と同じ「まぁ!」のポーズである。
これらは個人の奉納によるものだが、驚いたのは足元にズラリと並ぶ賽銭箱も全部個人が寄進したものだった。
素敵なパネル展示を発見。
国際コンペで1位を取ったのだとか。
調べてみたがコンペの詳細はさっぱりワカリマセンでした。
施工は清水建設。手堅いねえ。
このサイズの大仏の施工、設計は本当に大変な作業だと思う。
四角いビルと違って構造計算や曲面の割り出しがメチャメチャ面倒なはず。
ましてやこれだけ細密な表情やプロポーションを再現するとなるとその精度はかなりシビアなはず。
大仏設計、施工専用のいいソフトでもあるのだろうか。
中央の螺旋階段にも金ぴかの観音様がズラリ。
さらに手すりの部分には無数のお御籤が縛られている。
このまま最上階まで登って行ってもいいのだが、いかんせん早朝からの山道三昧で早くも足腰がヘロヘロになっているのでエレベーターを使わせていただく。
大観音にありがちな階数表示。
最上階にはスリランカの佛歯寺から送られてきたお釈迦様の犬歯が祀られているという。
ちなみにこの大観音を擁するここのお寺の名前も佛歯寺。
以前スリランカの佛歯寺に訪れた際にはお釈迦様の歯に結縁を求めて大勢の人が押し寄せていたが、ここには誰もいなかった。
(スリランカの佛歯寺のようすはこちら)
何故かスリランカではなくタイスタイルの仏像が安置されていた。
スリランカ大統領と接見されている写真も。
スリランカやカンボジアなどでは国のトップが仏教を介して積極的に外交を展開していたりする。
日本のお寺でもこうして国のトップや高僧を訪問したり招聘したりと仏教を通じた国際交流というものが結構盛んに行われているのだ。
この扉の奥にお釈迦様の歯があるのだという。
そういえばスリランカの佛歯寺のお釈迦様の歯が納められているところもこんな扉だったような気がする。
窓の外には瀬戸内海。
何だか今日は朝から高いところにヒイヒイ登って遠くの海をうすらぼんやりリ眺めてばっかりだなあ。
まあ、ここもある種の洞窟寺院ということで。寄り道勘弁してください。
帰りは螺旋階段を下りていく。
行けども行けども金ピカ観音が並んでいる。
十二支の守り本尊を参拝して拝観は終了。
見上げればはるか上まで胎内空間が。
個人的には外観内観ともまともだったのでインパクトがやや薄いのは否めないが、ちゃんと運営している様子が感じられた。
素敵なポスターも相変わらず。
売店で小豆島特産のオリーブコーラなるものを購入した。
結局この飲み物がこの日の朝食だったなあ。
味は…
もこみちに注いでもらったコーラみたいでした。