メキシコ珍寺修行の旅、中央高原を巡って最終修行地の
メキシコシティにやって来た。
これまで訪れてきた中央高原の地方都市とは打って変わって大都会。
まるで別の国に来たかのようだ。
で、最初に訪れたのは以前も訪れた
ソノラ市場。
別名、
呪術市場と呼ばれるように、ここはメキシコの民間信仰である呪術に関する様々な品が売られている市場なのだ。
前回のリポートは
こちら
シティの中心部からダラダラと歩きながら市場を目指す。
メキシコシティ在住の人でも、やはりソノラ市場にはあまり行く事がないみたい。
地元のメキシコ人にしてもどうやら危ないところのようだ。
前回行った時もそれなりに用心して行ったものの、実害はまるでなかったし、どちらかというと呑気な印象だったので少し意外だった。
いずれにせよ訪問の際は自己責任でよろしくお願いします。
で、ソノラ市場に到着。
相変わらず
怪しい粉末などが店頭に並べられている。
怪しい粉末といっても、別に麻薬ではなく、願いが叶うマジックパウダーの事だ。
お金持ちになりたいパウダーや恋が叶うパウダーなど願い事別にパウダーや石鹸や謎の液体があり、それを身に纏うと願いが叶うというもの。
そういうのが好きそうな人達へ土産用に大量に買って帰ったが、考えてみたらこんなの税関で見つかったら
結構面倒な事になったかもしれないっすね。
「オマエ、コレは何の粉だ?」
「あ、はい。これはお金持ちになる粉でして…」
「なぬー!コレ売って儲けようってか?」
「あ、イヤ、全ての願いが叶うという、あのー…」
「ああ、全ての願いね…そうかそうか、じゃあ別室に行こうか!」
…てな事になりそう…
呪術、呪物に必要なグッズ以外にも
様々な神像が売られている。
手前のヒゲのオジサンは
ヘスス マルベルデといって
麻薬マフィアに信仰されている神様である。
メキシコのマフィアは今でもマルベルデを信仰することで盗みや密輸が成功すると信じているらしい。
そういう輩がこの像を買いに来る、という事はやはり治安もそれなりにそれなりなのかも知れないっすね。
こちらは
サンタ ムエルテ、いわゆる死神ですな。
この神様もまたマフィアに信仰されている。
一見野菜市場のように見えるが、これらはぜ~んぶ
呪術に使うハーブ類なのだ。
…という訳で今回も
リンピアをやってもらう事にした。
リンピアとは除霊のようなもので魔女による
お祓い儀式の事だ。
市場の人達に片っ端から聞いてみたら若いセニョリータがやって来た。
魔女、というには
陽キャな感じの女性だったが、きっちりリンピアの儀式をしてくれた。
今回、ソノラ市場を再訪したのにはもうひとつ目的があったのだ。
それはこの市場の中に
血の涙を流す幼子の像があるという噂。
リンピアの魔女探し同様、市場にいる人達に片っ端から声をかけて聞いてみたところ、こんなところに連れてかれた。
市場の一画にある小さな祭壇。
そこには幾つかの像が祀られていた。
ああ、これが血の涙を流す聖像なのかあ。
あれ?隣のベイビーも血の涙を流しているぞ。
えええ。逆サイドのベイビーも血の涙を流している!
これはなんだ?
種を明かすと、ここにある血を流すベイビーズは全部レプリカで、本物
はソノラ市場の他の場所にあるという。
とは言え、メキシコの民間信仰のメッカのようなこの場所にこれだけ血涙の像があるという事はそれなりに民間信仰的な聖地になっているのだろう。
結局本物は見つからず。この市場、本当に広いんよ。
市場の外に出ると、そこはメキシコだけでなく
中南米各国の呪物が売られている。
特にハイチのブードゥーやブラジルのマクンバ、キューバのサンテリアなど中南米を代表する黒魔術に用いられる呪物が沢山売られていた。
こちらは
ブードゥー教に用いられる人形。
赤い人形の足と腹に釘が刺されている。
ちなみにコレは女性用。
男性用は黒い。
たっぷりと各国の黒魔術や裏信仰を堪能し、ソノラ市場を後にする。
その後、チャイナタウンで昼食を食べつつ、シティ在住の方と世間話。
話していると、メキシコは私の眼に映るよりはるかにシビアなようだ。
よくこの旅も無事に続けられたものだ。
今一度気を引き締めつつ、最後の珍寺修行に向かうとしよう。
次の修行へGO!