ボルの牛市場/Bolu
トラジャでの墓巡りの合間に牛の市が立つと聞いて行ってみることにした。
トラジャでは牛といえば水牛のことで、農作業には欠かすことの出来ない動物だ。
と同時に葬式の際にも生贄として用いられる、その角はトンコナンの柱に括りつけられる。
いわば
トラジャを象徴する特別な動物なのである。
その一大集積場がここ、ボルの牛市場だ。
週に一回開催される牛の市にはたくさんの牛がやってくる。
トラジャ滞在中、何度か世話になったガイド件バイクドライバーの兄ちゃんによればスラウェシ島は水牛の畜産が盛んで、特にここトラジャは水牛の需要が高いので規模の大きい交易場所となっているのだとか。
質の高い水牛が手に入るので島外からも買い付けに来て船で運ぶのだと言う。
水牛の値段は数万円から数百万円と重さやグレードによって違うようだ。
特に
白い部分が多い水牛には高値が付く。
↑この水牛は高級レベルらしい。
確かに周囲を見渡してみてもここまで白い部分が多い水牛はいなかった。
値段の交渉をするおっさんたち。
ちなみにトラジャの男たちは長い布を身に着けている。
時にはスカートのように腰に巻いたり、肩に掛けたり全身を覆ったり、様々な着方をしている。
ざっと見ても半分以上の人がこの民族衣装的な布を身に着けている。
これだけ牛がいる割にはあまり臭わない。
清潔にしている、ということなのだろう。
建物に囲われた場所にも大量の水牛が繋がれていた。
こちらは競り待ちなのだろうか。
商談成立すると早速トラックに積まれる。
ドライバーの兄ちゃん情報によると、この牛は島外に運ばれるそうな。
牛市の脇には豚市場もあった。
竹で組んだ桟敷のようなところにたくさんの豚が寝ていた。
豚ってホントに動かないよなー。
…と思ったら、縛られるときだけは未だかつて見たことの無い位激しく抵抗するのだ。
こんな感じです(音でかいので注意)。
…そりゃあ嫌だよなあ。
竹とプラの荷紐で
運びやすいようにパッケージングされちゃった豚。哀れ
最早こうなると豚も観念してピクリとも動かない。
そしてまた何事もなかったかのように昼寝を続行するのだ。
小豚はネコに縛られて出荷。
さらに小さい豚は土のう袋に突っ込まれて売られていく。
ピーピー泣き声がして激しく動いく土のう袋が大量に積み上げられている光景は中々圧巻だった。
出荷待ちの豚の群れ。
これだけの数の豚がいるのに鳴き声ひとつ聞こえない。
全部死んでるのかと思ったら、相変わらず昼寝してました。
これだけ豚が大量に要るのに電話できるほど静かなのだ。
一頭の豚がこちらを睨みつけていた。
豚は自分の運命を悟っているのだろうか。いや、いないだろうな…。
ボルは巨大な市場で、牛豚以外にも様々な食品が売られている。
魚市場には淡水魚が売られていた。
こちらは鯉。
こちらは鰻。
精肉、と呼んでいいのかな?
鉈のような包丁でバンバン肉塊をぶたっぎてました。
ココに来ればトラジャの人たちが食べる食材が全て揃う。
水牛、鯉、鳥、豚、鹿、鰻…
まあ、大抵はカレーにしちゃうんですけどね…。
とても楽しいトラジャ滞在だったが、食事に関しては私はあまり合わなかった。
鱗がビッチリ付いた鯉のカレーとか毛がほぼ残っている水牛の皮のカレーとか小骨が多くて口の中に刺さって痛いよー的な鳥肉のカレーとか。
インドネシアといえばチャーハンと焼きそばを交互に食べるお土地柄な筈なのになぜかトラジャではあまり見かけず、食堂に入ると大抵上記カレーの三択となる。
結局最後は面倒臭くなってかっぱえびせんやポリンキーのようなスナック菓子&ビールとかで食事は済ませてました…。
結果こんな感じに…。
地鶏が美味しい!というのも程度問題で、概ね硬かったなあ。
一方野菜やフルーツは豊富で、こちらはとても美味しかった。
根菜も豊富。
柄on柄の着こなしが素敵な米屋のおばちゃん。
ライスは美味しかった!
哲学的な佇まいのスパイス屋。
奥の方には服市場もあった。
丁度帽子をなくしてしまったので、買うことにした。
帽子屋に日本の紅白帽があってびっくり!
誰が買うんだろう?それ以上に何でここにあるんだろう?
母ちゃんの買い物にすっかり飽きたちびこ。