ワットタパン(前編)/パンガー

Wat Ta Pan (part1)/ PhangNga



「泰国珍寺修行南へ」、いよいよ最終解脱ステージである。

場所はパンガーのワットタパン。

タイ南部最強の珍寺といえよう。


ここはあまりにも見所メガ盛りなので前後編に分けます。


入口からしてこんなですもの。



コンクリの女性が車を誘導している。おおお、これはミニスカポリスなのか?期待が高まるじゃないですか…


で、トイレ入口の案内嬢もコンクリさん。



働く女性のコンクリ像って他ではあまり見たことがないなあ。


境内に入ってまず目に付くのは大量の鶏。





そして虎革をまとった人たちがたむろするスペースへ。




おお、これは二人羽織!…じゃないのか。




波型スレート屋根のシンプルな建物の中には巨大なルーレットが。



しかも堂々と仁王立ちしている坊ちゃんの胸元に燦然と輝くのはコイン投入口じゃあないか!

凄い、コレ機械じかけなのか!



きっとこのルーレットが回転して虎革オヤジの指差す数字に従っておみくじを引くのだろう。



早速オレ小銭入れ起動準備!

と思ったら…



肝心の回す人がこんな事になってました…合掌。



気を取り直して再び屋外へ。



大雑把な感じのコンクリ像が所狭しと並んでいる。



色々な動物に乗る方々。

  

動物のバリエーションが南国っぽくてよろしい。

  

うっ、ライオンかぁー




でもやっぱり人気は象さんなんだろうなあ。





森の中には切り株チックな祠が。中を覗き込むと…



根の付いた木に仏像が彫られている。



何か謂れがあるのだろうが、そんなことより手前の小坊主の人形のチャッキーっぷりが怖くて怖くて…




境内の端っこには坊さんがずらっと並んでました。




そんなこんなで境内をふらふらしているととんでもないところに出くわした。

ヒンズー神の一大ジオラマ。



一番上にいる青い顔の方はシヴァ神だろうか。他の神像に比べてかなり大きい。



この急な岩壁にどうやって像を設置したんだろう。


一番下にはワニに乗った神様がいた。



ワニを眷属とするクンビラという神様と思われる。

実はクンビラ神って名前だけは良く聞いていたのだが、その姿は初めて見た。

何故名前だけ良く聞いていたかというと、この神様、実は日本の金毘羅さんのルーツなのだ。




てなことをぼんやり思い出していたら猿と鶏に囲まれちゃいました。



餌まいてたのか…



雑な感じのコンクリ動物も並んでます。



コンクリのゴリラにリアル猿がチョコンと乗ってました。





さらに奥には釈迦苦行のコンクリ像。




建設中の大仏さん。




…の頭に装着されるのであろう螺髪。




悪い夢に出てきそうな怪しすぎる花。




全体的に湿気が多い谷筋にあり、しかも木が多いのでコンクリの汚れが激しい。


どれも全体的に苔が生えてしまっていて少し残念である。

と同時に塗りたてピカピカのコンクリ像にはないしっとりとした時間の経過を感じさせてくれたりして、それもまた良し。

私はペンキ塗りのコンクリ像が薄汚れた状態って嫌いではない。


というのも派手な色が褪めて苔がのったマチエールからある種の「深み」を感じるのだ。

鉄や木だとこうはいかないんだな。何か朽ち方がカッコ良すぎちゃって。

ペンキ塗りコンクリのこの独特の安っぽい深みというのかな、好きなんだよね。








で、いよいよお待ちかね、タイ南部最強の立体地獄ガーデンである。







まるで百鬼夜行のように亡者があてどなく立ちつくしている。

薄暗い木々とあいまって異様な雰囲気。





ここの地獄、チョット他では見られない独特の味わいをかもし出している。





何と言ったら良いのだろう、他のタイで見かける立体地獄にありがちなスパッと割り切った造形の潔さのようなもの、いってみればポンチな要素が少ないのだ。





暗い色調…



陰鬱な造形…



ひとことで言えばイヤ~な感じ。



さらに苔むした感が追い討ちをかける。

ユーモラスな要素がなくもないが基本鬱々とした感じの地獄である。





何でここの地獄はこんなに暗いのか…その理由を考えた。




そっか!血しぶきドビャー!がないからだ。

タイの地獄といえば目にしみるような真っ赤っ赤の鮮血が惜しげもなく飛び散っているのがお約束なはず。



ところがココの地獄ではどちらかというと内出血気味。くすんだ痣や膿んだ裂傷で痛みを表現しているのだ。





これまでタイの田舎をうろうろして様々なコンクリ立体地獄を巡り、そして今、このワットタパンの地獄を見て気づいたのはジャンジャン飛び出す血しぶきがいかに景気いい感を演出していたか、ということだ。


ロケ地;ウドンターニー


勿論この手の話に眉をひそめる方がいらっしゃるのを承知で言わせていただければ(つかそんな輩はこのページの画像見ただけでディスプレイをぶち割っているだろうから心配無用だね)、血しぶきが飛び散っているシーンを見ると、スプラッタ趣味とかない私だが、何故か元気になるんですわ。血が騒ぐというか、血糖値が上がるというか。

そう、苦しいとか痛いとか熱いといった恐怖の感情を快楽にトランスレートする感覚が増幅される…んだと思う。






とはいえ、その造形力に思わず魅入ってしまうこともしばしば。





むしろ血しぶきビャー的な地獄の光景よもリアリズムに徹していると言っていいだろう。




リアル…




ご存知首なしさん。彩色されていないので余計異様なフォルムが際立っている。





この人は凄かった。






暗~~~い地獄の亡者を見てすっかり陰鬱な気分を堪能しているとその先に巨大な龍が横たわっているじゃあないか。



しかも龍自体が巨大なトンネルになってるぞ!

さあ、龍の口に入ってその先に何があるか、確かめようじゃないか!




巨大龍の先に何が?!(次回最終回)






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