SettayawPagoda/PATHEIN
セトヤーパゴダ
パセインのメインロード、バンドーラ通りに変な老夫婦の像がある。そこを入っていくとセトヤーパゴダが現れる。差程広くもないところだが奇妙な物件が多数存在するので、パセインに寄った際には是非お見逃しなく。
まず、境内に入るといきなり大蛇君のお出迎え。おお、まさにイヤーオブザスネーク!正月らしいじゃん、でも蛇嫌いなワシ。一寸触ってみる。お、結構気持良いぞ。でも首には巻かなくていいぞ!おっさん・・・
・・・気を取り直して先へ進む。境内には大仏を中心に奇妙な人物オブジェがてんこ盛りだ。これぞ珍寺天国の面目躍如。素晴らしい。
牛「ホレ虎さん、あんたも挨拶しなきゃダメだっぺ」
やってる事が猿と同レベル。悲しいぞ。
で、三島由紀夫。
そんな一画に鮮やかな色使いのお堂が。何やら謎めいた3つの入口。しかも凄く狭い。体を横にしてやっと通れる位の狭さ。で、真ん中の入口は入ってすぐ行き止まり。仏像が一体あるだけ。で左の入口に体を滑り込ませる。中の通路も凄く狭い、しかも真っ暗。お、これはもしかして戒壇巡りなのでは。
いくらか目が馴れてくると今度は上に登る階段。一度テラスに出て今度は二階の小部屋に入る。で、仏像がまつられているその小部屋を抜け、反対側のテラスに出ると今度は先程とは対角位置にある下り階段がある。
おおおお、これは栄螺堂システムでは。こんなところで栄螺堂に出会うとは感無量である。
で、階段を下り再び真っ暗な通路を通り、先程の3つ並んだうちの右側の出口から出る。
これぞまさに戒壇巡りと栄螺堂をミックスさせた究極の娯楽参拝装置建築なり。
などと感動しているとお寺の兄貴がこっちも見ろ、と大仏さんの裏手にそびえる塔に連れていく。
5層の塔の内部には1階にコブラの像があるだけだったが、登っていく内にこれまた二重螺旋の塔である事が判明。なんとここは2つも栄螺堂スタイルの建築を保有しているのだ。しかもこちらの塔は会津若松の栄螺堂のような綺麗なニ重螺旋系の塔でしかも5層。内部がず〜っと階段だけで石積造なので「参拝プロセスを見せる」という空間的な面白さはない。したがって栄螺堂と言い切ってしまうのも気が引けるのだが、二重螺旋の持つ不思議さを前面に出していることは間違いない。
感動の内に塔を出る。出口は勿論入って来たところとは逆の位置だ。
で、塔を出ると大仏の後ろに怪し気な入口がある。先程の兄貴がまたしてもこっちだ、と案内してくれる。
この兄貴、このパゴダの遊園地っぷりが大層御自慢らしい。
そこは真っ暗なトンネルになっており、抜けるとアラびっくり、先程の「プチ栄螺堂」の下じゃああ〜りませんか。そしてさらに先にも「遊園地エリア」は続いていたのであった。
極彩色標準装備のこの国には珍しいモノトーンの立体地獄絵図。
灼熱の太陽のもと繰り広げられる阿鼻叫喚の世界。頭がぼーっとして来る。
呑気な仏像が多いこの国にしては結構エグい世界を展開しとります。
で、最後に大仏殿のような建物の中におわす第二大仏さんに御挨拶して濃ゆ〜いセトヤーパゴダ巡りもやっと終了。
狭い割には遊園地魂全開、娯楽主義濃縮のすんばらしいパゴダであった。
正直いって前回の訪緬の際、モンユアのボディタタウンで怪し気な塔を発見した際に何となくこの国には栄螺堂のようなものがあるという予感のようなものはあったのだが、ここまできっちりとした栄螺堂形式のものがあるとは思わなかった。しかも娯楽参拝装置としての建築という点で共通しているのも驚きである。
日本の栄螺堂研究の際、よくダヴィンチの二重螺旋図やシャンポール城の二重螺旋階段との関連性が話題になるが、ミャンマーの地にもこのような建物があるという事を踏まえて考えるならば、ヨーロッパで生まれた二重螺旋建築というものは、直接日本に輸入されたものではなく、もしかしたら徐々に西から東へと伝播していったのかも知れない。こりゃシルクロードならぬ「栄螺堂ロード」があるかも知れないね。
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