ChuaQuanTheAm/T.P.HoChiMinh

観音寺/ホーチミン


法華寺の五重塔から見えた妖しすぎる塔

一番上なんか手ですよ手。

 

早速行ってみる事にした。

場所は法華寺のすぐ近く。決して素通りを許さない塔だが、考えてみたら法華寺に来るときに素通りしてました・・・

で、早速境内に入る。ここも敷地的にはあまり大きくない寺で、一階は食堂。皆さんお食事中失礼しますよ。

食堂にあった観音像。例によって光背がいい感じ。

建物は中央に本堂(一階が食堂)右側に坊さんの居住する建物、で、左側には得体の知れない人工グロッタのようなものがある。

食堂の脇を通ってグロッタに近付く。見上げると洞窟の中に観音像がまつられている。

こんなグロッタだが、一階はフツーの寺務所。おじさんが書類をかきかきしていた。

 

しばらく周りをうろついて迷路のような通路と階段を発見してやっと観音像のある洞窟に辿り着いた。洞窟内の明かり取り。コンクリートで竹を模したもの。こういう細かいところにもオシャレ魂が注入されている。ちなみにグロッタは全部コンクリート製でした。

グロッタの山の裏側。こちら側にも洞窟がつくられている。左の屋根は本堂のもの。グロッタと本堂の間は人ひとりが通れる位の隙間しかないので遠目に見るとくっついているように見える。

それにしても複雑なルートである。明らかに人を迷わせるために複雑にしているとしか思えない入り組んだ通路である。

今度は2階テラスの本堂の裏を通って居住房の方にでる。私としては本堂に行きたいのだがグロッタから本堂には先般述べたとおり人ひとりが通れる位の隙間があるので直接行けず、結局半ば強制的に居住房のほうに行かざるを得ない状況になっているのだ。

でもそんな状況は大好きなのでウェルカムなのだが。

居住房は一見普通の建物なのだがこれまた本堂に行く道が判らない。

ヒマそうにしていた坊さんに道を教えてもらった。

結局、居住房の屋上に一旦上がるとそこに本堂へと渡る通路があった。

というと簡単そうだが実は説明出来ない程の細かいアップダウンなどがあって自分でも良く思い出せないでいます。

これが地下鉄の乗り換えとかだと頭にくるんだがこういう時道に迷うと言うか建物に迷うのはとても楽しい。

それはお寺が非生産的な場所だからではなかろうか。

いや、お寺で暮らしている坊さん達は早起きして御飯食べて掃除してお経を唱えて食事の準備したり薪割りしたり腹筋したり素振りしたり昼寝したりと忙しいのだろうが、そういった修行と無縁の私を含めた多くの参拝客はかなりのんびりした気分で寺に訪れている。いや、むしろのんびりするために寺に来ているといっても過言ではないだろう。

それは心の平安を求めてとか救いを求めてとかいうが実はそんなモノすら求めず、ひたすら非生産的な時間を過ごすためにやって来るのではなかろうか。要はダラダラするということなのだが。

そんな時にわざと迷路のような造りになったお寺があったら楽しいではないか。

栄螺堂や五百羅漢堂などもそういった参拝者と寺院側の精神構造上の「お約束」の上に成り立っているのではなかろうか。

いずれにせよ寺に行ったときに複雑なら複雑な程楽しいのは事実である。

 

で、やっと塔の足元に付いた。入口の門から直線距離で50メートルも離れていないのに20分以上かかっちゃいました。

それにしても何というケッタイな塔だろう。

一番上の合掌した手は見えなかったがその下の花びらのような飾りは良く見ればピーナッツの殻のような行司の軍配のような何とも言えない変なカタチ。普通ならばとても建物の装飾に用いるモチーフとして考えられないカタチである。ま、塔のてっぺんが手ですから、その時点で普通とは思ってませんけどね。

塔の真下が本堂になっている。真ん中には本尊が座っている。

吹き抜けの部分には通路や部屋などはなく上に登る事は出来ない。

本堂部分は未完成なのか修復中なのか足場が組まれておりあちこちペイント中だった。

 

本堂のすぐ左側にはグロッタが見える。というかなだれ込んで来そうな勢いだ。

本堂前にテラスがあり、そこから階段が下に下りていた。なんだ最初からこの階段を登ってくれば簡単に本堂に行けたのか。

ついついグロッタに魅せられて裏口のようなところからアプローチしてしまったゆえ迷い道してしまったのさ・・・

普段の自分の不審な挙動を反省しつつ、でもそのおかげで楽しい思いをしたりするので何とも言えないが。

 


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