次に訪れたのは市街の北にある
ワットメクプラシット。
「ワット」の冠がついていることでお解かりの方も多かろうが、
タイ式の仏教寺院である。
イポーには華人が多いと聞くが、こうしたタイ寺院が存在するということは、それなりの数のタイ人も暮らしているのだろう。
錫の鉱山を目指してやってきたのだろうか。
タイ寺院、チベット寺院…様々なルーツを持つ人々が共に生活している街、それはある意味
マレーシアという国の縮図ともいえよう。
で、タイ寺院である。
お寺のある場所はハイウェイと駅を結ぶ主要道路沿い。
信仰に適した土地、というよりは車がガンガン行きかう
殺伐としたロードサイド。
しかし境内に一歩足を踏み入れれば、意外とのんびりとした雰囲気だ。
本堂へは金のナーガの間を通って行く。
先ほどまでの狂ったようなトラックの爆音などはこの辺りまで来ると届かない。
木陰では小鳥がピヨピヨ鳴いていて南国カントリー気分を盛り上げてくれているじゃないか。
傍らにはステキなコンクリ仏。
この寺のクオリティが早くも伺える。
で、本堂に入ろうとすると…おお、何だか大勢の人がいるみたい…
うわ。こりゃ凄い。
凄い数のコンクリ僧侶軍団だ。
ずらりと並んだ僧侶のコンクリ像はえも言えぬ迫力がある。
造形センスとしてはまさにタイ寺院そのもので、マレーシアのコンクリ像とはまたひと味もふた味も違った味わいがある。
コンクリ造型にもお国柄があるのだ、と痛感した次第である。
お、石破ちゃん。
最近塗り替えられたらしく、全体的にツヤツヤしている。
白目の部分が漆で仕上げられているのだろうか、ペンキでは出せない妙な味わいが醸し出されていたよ。
全部は数え切れなかったが300体近くはありそう。
全員合掌しております。
ずらりと並んだ僧侶の下には小さな小窓が並んでいる。
納骨堂になっているわけですか。
正面には御本尊の寝釈迦サマ。
コンクリ僧軍団の迫力に圧されやや地味な印象は否めないが、20m以上はある。
いわゆるアジアの
ビッグスリーピングブッダと称される標準的(?)なサイズといえよう。
つまりこのお堂は
建物丸ごと使って釈迦の入滅シーンを再現している、といえよう。
御尊顔も見事なタイ様式。
寝釈迦さんって見る角度によって結構、印象かわるんだよね。
特に巨大な寝釈迦さんってその変化がよく解るので、皆さんも巨大な涅槃像を拝観する機会があったら是非試して頂きたし。
↓見上げるとこんな。
↓見下ろすとこんな。
ね。随分ちがうでしょ。
坐像や立像の大仏さんって顔を上から見たり下から見たりしないので(
さっきの寺はともかくとして)、寝釈迦さん独自の、しかも
巨大寝釈迦にだけ許されたお楽しみ、なのである。
特にコンクリや漆喰で出来ている東南アジアの涅槃像、その中でも面長でユニークなお顔立ちのタイ式涅槃像は差が激しくポイント高いのだよ。
以上、巨大涅槃像ひとくちメモでした。
寝釈迦さんの裏はこれまた納骨堂になっていた。
本堂真ん中に座ってみる。
参拝してるのはおばちゃんひとりなのに周囲からじっと見られているようで落ち着かない。
でもしばらくボーっとしていると、段々自分もコンクリ僧の一員になったような気がしてくるから不思議なものだ。
次のお寺に大行進!
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