BurmseBuddhistTemple;Penang
泰佛寺の向かいには緬佛寺がある。
こっちはビルマ(ミャンマー)のお寺である。
お国同士はあまり仲が良いとは言えないが、ここでは仲良くお向かいさん。門の位置も丁度向かい合わせ。
左が泰佛寺、右が緬佛寺の塀である。お互い国の威信を賭けて無言ながらも激しい装飾合戦が繰り広げられている。
そう、この道は南方上座仏教の覇権を賭けた珍寺38度線なのである。
・・・と思ったら、境内は拍子抜けする程リラックスムード。
泰佛寺がギッタギタの装飾攻撃をかけるも緬佛寺はいかにもミャンマーの都市部にありがちなのほほ~んとした佇まい。
門を潜るとそこは回廊が一直線に奥まで延びている。回廊の欄間にはやけに劇画チックな仏画が並んでいた。この絵なんかもゴルゴ13に狙われてるみたいですね。
回廊の途中に不思議なブースを発見。
牧歌的な蓮池の中に目が描かれている。物凄くシュールな絵だ。しかも良く見ればその目は覗き穴になっている。
おお、いいぞ!ビルマ寺院といえば様々なギミックで参拝者を楽しませてくれるのが基本姿勢。これも何かの娯楽装置に違いない。
台座にはPleaseSee/TheUniqueOne&Only/ThousandBuddhasWonderとある。ワンアンドオンリーで千仏ワンダーと書かれていたら見ない訳には参るまい。
一体何が起こるのか、ワクワクしながらさっそく小銭を投入する。
すると真っ暗だった中に明かりが付き、たくさんの仏像が現れた。内部は四方が鏡張りでまさに千仏万華鏡状態。
しかも変な歌(お経?)まで流れて来る。静かな境内に響き渡るサウンド、チョット恥ずかしかった。
でも、ビルマ寺院お約束の参拝娯楽装置があって嬉しかったです。
回廊の突き当たりにはお堂があり、様々なビルマ仏が並んでいた。そしてそれぞれの願いごとが書かれた壷が置かれている。
見ていると全部入れたくなってしまうが、小銭が無くなってしまうので健康のところにお賽銭をいれときました。
中央にはかなり少女漫画っぽいお釈迦様がいた。おとなしめながらも光背は電飾光背。いいっすねえ~。
こうして見ているとタイとビルマの仏像の違いが見えて来る。
どちらも日本の仏像を見慣れた我々からすればキッチュというかコトバは悪いが安っぽい感じは否めない。
しかし、同じキッチュでもタイの仏像が古くからのスタイルを守っているのに比べてビルマの仏像はより漫画っぽい仏像に進化を遂げているようだ。もちろん仏像の表現形式と信仰心は別物で、タイもビルマ(ミャンマー)も超敬虔な信仰心を持ち合わせていますが。
タイの仏像に比べると、かなり人間味があるというか親しみやすいので、傍からみるとツッコミどころ満載なのだと思う。
これはタイの仏像だけに限らず宗教というもの自体が、その歴史や威厳を誇示することで立脚している部分があるものだ。だからこそ教会や寺院は競って豪華な建物を建てようとするし、仏像は人々に畏怖される存在でなければならないのだ。
しかし、ビルマの寺というのはどうも宗教施設に付き物の威厳という概念をどこかに落っことしてしまったような気がしてならない。
ミャンマーのどの寺にいっても厳粛な気持ちになる、というよりは気持ちがふわっと軽くなる。居心地が凄くいいのだ。
押しつぶされる感じがまるでない、そんなあたりがビルマ寺院の最大の特徴なのかもしれない。
境内には様々な仏像やジオラマがひしめいている。
よそ見をしている仏像、鬼や女性に誘惑されている修行僧。いやいや大変ですね。
さて、境内の一番奥には僧房がありその前には池がある。その池を囲むように様々な動物やビルマの神様などが配されている。 そして池の中央には・・・
やっぱりありました!回転式賽銭装置!やっぱビルマ寺院といったらコレがないとねえ~
先程お堂にあったのと同じそれぞれの願い事が書かれた鉢がグルグル回っている。そのスぺーシーなデザインに夢中で小銭連続投入。あっという間に小銭全滅。
結局ひとつも入りませんでした。今年が思いやられる・・・
小銭をすっかり吸い取られ意気消沈するも境内にはナイスなお友達がいっぱい。
小さな池にいた観音様(天女?)が何だコイツ、てな視線を向けているのは金太郎みたいな新手のスイムウェアを御召しになったお方。
お茶目なポーズの割には目の光が邪悪な気がします。
怪物が地球を征服したの図。もっちろん中心はビルマ(ミャンマー)。
ビルマ寺院の多くがそうであるように鐘を担いでいる2人組は何故かお笑いスポット係数が高い。
左のチームは爽やかすぎるぺコちゃんスマイル。右チームは前線のスタミナ不足が問題点。
ふらりと現れたオヤジに何故か鐘を突け、としつこく迫られたので、取り合えず突いておきました。
で、ぐるりと境内を一回りしてくると最初の門の近くにパゴダと本堂がある。本来はここに先に参拝すべきなのだろうが、変なコンクリ像がいっぱいあったので、そっち方面にふらふら行ってしまったのである。
パゴダ(仏塔)は規模こそ小さいものの、本国のものに比べても遜色ない仕上がりだ。
周りにある祠の中にはそれぞれの守り本尊らしき仏像がいました。
で、本堂。
細かく細工されたチーク材の壁と大理石の床がいかにもビルマ寺院らしい風通しの良さそうな雰囲気を醸し出している。
本尊はマンダレースタイルのような仏像だ。大きさは10メートル弱位。立派である。
本尊の脇には坊さんがリラックスした姿勢で一生懸命本を読んで・・・って寝てました。
仏様は見ているぞよ。
丁度本尊の裏のスペースには大理石の仏像が並んでいる。ところでビルマ仏といえば比較的女性的ないでたちが多いが、この坊さんを監視している仏様だけ妙におっさん顔でした。大乗仏教系だったらおっさん顔も当たり前だが、南方上座仏教では珍しいような気がするが・・・どうだったかな?
本堂の前には立派な獅子がいた。
面白さではやっぱりビルマ仏にかなうもの無しですな。
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