京都のとある住宅街の中にこんな不思議な建物がある。
まるで山車小屋のように細長い建物。
正面にはがん封じの観世音力などと書かれている。
勿論一般の住宅ではない。
上の方の窓を見ると…
とてつもなく素敵な観音サマの御顔がのぞいているではないか!
小さなお寺の本堂には壁や軒下には大量の観音サマが。
さらにこんな素敵な御像が。
最早細かい事を言うまい。
セルフ仏の極北といっていいレベルである。
お地蔵さまの足元にいる水子達も
ヘタカワイイったらありゃしない!
見ているだけで全身のドーパミンがどばどば出てくる素晴らしいセルフ仏じゃあないか。
背後にも大量の観音像。
作風からすると独りの人物が作ったものなのだろう。
小さな本堂の内部を見させてもらう。
驚いたことに屋内もたくさんの観音像がびっしりとはりつけてあった。
これらの仏像は全て
先代の住職の手によるものだ。
お寺の方に古い雑誌の記事のコピーを見せていただいた。
曰く、これらの仏像を作ったのはこの寺の先代の住職。
寺を観音様で埋め尽くそうと一念発起し、昭和48年から数年間にわたって作り続けたという。
お寺さんのご厚意で観音堂(?)を開けていただいた。
うっほっ!
4〜5メートルはあろうかという千手観音と2メートルほどの日光月光菩薩という並び…なんだと思う、多分。
作者御本人が
「マンガ以下」と仰っているので遠慮なく言わせていただくが、まあ、ペタッとした顔な訳ですよ。
でもそれがいいのです。
このサイトで何度も何度も繰り返し申し上げているが、技術的に未熟な仏像こそが作り手のパッションがストレートに感じられるのだ。
この観音像もご多分に漏れずいろんな技術はアレだが、作者である前住職の情熱だけはビッシビシに感じるわけです。
交通安全を祈願しているという。
よーく見ると、千手観音の掌には車や飛行機も見えるではないか。
正直言って仏像を彫りはじめて4年ほどのキャリアで、ここまで大きな観音像を作り上げたこと自体驚くほかないっすね。
最高だよ!