世の中、まだまだ知らない神様っているもんですねー。
…と、言わざるを得ない巨大な神様に出会っちゃいました!
場所は霧島市の隼人町。鹿児島湾の一番奥の奥に位置するこの場所にまさかまさかの巨大な神様が鎮座していたのである。
しかもその場所はこの地方の名産である
黒酢の醸造所なのだ。
その名は長命ヘルシン酢醸造。
目の前は鹿児島湾、背後は山というロケーションだ。
黒酢の醸造所といえば最近、健康食品の通販番組などで見た事のある方も多かろうが、黒い甕に入れた米や麹などを発酵醸造させているのだ。
つまり黒い甕がずらっと並んで静かに置かれている場所、ということになる。
そんな醸造所&販売所に神を見たわけですよ。
塀からして只者ではない雰囲気がビシビシ伝わってくる。
その山の麓に何やら毒っぽい色合いの「何か」が見えるが、とりあえず目の前にある壁に注目しようではないか。
鹿児島らしく西郷どんのイラスト。今の大河ドラマではモニカ先輩がやってるんだよねー。
酢の醸造所とは思えない熱々のメッセージとフォント。
さらには「仕事を趣味と思ったらこんな楽しいことはない」というメッセージまで。やー、逆は地獄ですけどねー。
それにしてもこういう自分の仕事への姿勢とか父母の話とかをこういう風に世間様に示す人って本当に凄いなあ、と思う。
この必要充分量を遥かに上回るエクスプレッション魂こそが珍寺を生み出す精神的な土壌なんだと思う。
そしてその向こうに見えるのが、本日のメインディッシュ。
日本最大のスケールを誇る龍神なのだ!
ン?どうなっているか判りにくいって?
それもそのはず。山肌の所々に露出した岩にペイントしているので胴体の部分は切れ切れになっているのだ。
ただ、切れ切の胴体の合間合間を想像で埋めていくため、余計大きく感じたりはするのだが。
公称150メートル。ん?これは日本で一番大きい神像、ということになるのかな?
如何であろうこのド迫力。木々の間を龍がのた打ち回っているかのようなダイナミックさが印象的だ。
この醸造所の社長さんが裏山の岩が龍に見えたので、絵師を招聘し、ペイントしたのだという。
絵師は高橋さんという方。絵師というより壁画が専門の人のようだ。
ちなみに配置されている岩は一切動かさず自然のままなのだとか。
それでは早速近づいてみよう。
醸造所の方に参拝の由を伝え敷地内に入る。
このように黒い甕がズラリと並んでいる。これらがいわゆる黒酢になるのだ。
んで、巖龍神の門を潜る。
顔ハメ看板を見つつ先に進もう。
赤い鳥居の先にあるのは…・
うおおおお!
近くで見ると、口がくわっと開いていてまるで食われそうなド迫力。
さらに胴体が山の上まで伸びている。
これは凄い!凄いぞおお!
龍の顔。
目玉がエメラルドグリーンなのが斬新。
そしてこのエメラルドグリーンは胴体にも用いられている。
山の上の方には「神」と刻まれた岩が。
神!そして魂!
龍神の周辺には、
金ぴかの神様仏様がすらりと並んでおり、かなりグッチャグチャ感が出ていた。
赤い台座に金の祠…無意味に精神が高揚してきちゃうじゃないか!
金ピカの恵比寿さん
金ピカの普賢菩薩
どうやら
石像を金ペイントしちゃってるみたいです。
コンクリやポリならともかく石像をベッタリ金ペイントするってゴージャスすぎないか?
巨石をえぐって彫り込んだ仏像も丁寧に金色に塗られている。
何なんだろう、この
金ピカ愛。
もっとも九州では墓石の文字を金色に塗ったり、田の神の石像をペイントしたり、と
石像とペンキの親和性は他地域に比べると高いような気もする。
それにしても…コレだけの石仏を金ペイントしちゃうなんてチョット勿体ないような気がするのは私が貧乏性だからなのだろうか?
金一色だけでなく、口は赤、目は黒で塗られている。その辺でギリギリ品を保っている。
コレだけ大量の神仏像が次から次へと並んでいると、作っている人の焦燥感のようなものが伝わってくる。
作っても作ってもまだ自分の脳内で完成しているパラダイスに追いつかない。「もっともっとまだまだ!」という焦りにも似た疾走感が見ているこちらにも伝わってくるようではないか。
それはここが
極上の脳内楽園だからなのだろう。
目の前には桜島が薄い噴煙を上げていた。
眼下には
軽自動車まで売っているという噂の巨大スーパーがあった。
さて、今までは龍神の頭部より左サイドを紹介したが、今度は龍神の右サイドに行ってみよう。
こちらにはキンピカ神仏に加え無数の灯籠が並んでいる。
こ、この方は…
恐らくこの醸造所のオーナーにして龍神を生み出した人物、山下氏であろう。
言ってみれば
このパラダイスの創造主なのに金色には塗らなかったんですね。
眼下には海、桜島、高速道路、巨大スーパーとスケールの大きなものが目白押し。
さらに進むと山下氏(家)の墓廟が。
別の機会に詳しく述べる事になろうが、鹿児島県下ではこのような屋根付きの墓が非常〜〜〜〜〜〜に多い。
それでもこれだけこってりした風味の墓はめったに見かけないが。
さらに進むと、チョット理解不能なゾーンに差し掛かってくる。
天孫降臨之地って…。
よく判らないまま山道をやや登るとそこにも金ピカの神仏が祀られていた。
右は天照大神坐菩薩というカミサマ、左はニニギノミコトらしい。
ああ、天孫降臨之地ってこの醸造所に神が降りたと言うわけではなく、高千穂の天孫降臨伝説のことを指していたのね。
先ほどの巨大龍の岩から離れた山の中腹にポツンとあった岩。よく見ると注連縄が巻かれ、岩には「神」と刻まれていた。
ワーカーホリックの神的存在
二宮金次郎。今のご時勢でいうと歩きスマホもこんな感じだけどねー。
女性的な顔だちもだが、足元おかしかないですか?ミシュランみたいになっちゃってますけど。
そんなこんなで龍神参拝とう名の軽い山登りは終了。
創造主である山下氏がつくりあげた
あっぱれな夢の国であった。
あちこちにあった
オリジナルデザインのフォントに痺れつつ駐車場に戻る。
駐車場の近くにある売店に入ってみる。
とりあえず健康ドリンクのヘルシンをその場で飲んでみたが旨かった。
ついつい土産にいくつか買ってしまったよ。
店内に会った社長(?)のイラストボード。さっきの胸像とは雰囲気が違うなあ。
どっちかというと宇宙で一番ピカレスキーな漫画、
哭きの竜に出てきそうな感じ。
別に宣伝してるわけではないが、黒酢もオススメでしたよ。
ヘルシン酢のホームページは
こちら。