浄福寺/愛知県西尾市


西尾の浄福寺大仏を拝みにいった。

ここの大仏(おおぼとけと読むそうで)さんは昭和3年に建てられた。

御近所の聚楽園に次ぐ本邦2番目に古いコンクリ大仏である。

昭和の大典を記念して建てられたとか。ここでも皇室絡みの建立主旨となっている。

この大仏さんは当時山門がなくその代わりにつくられたそうで、海からの良い目印にもなったそうだ。

さて、大仏さんだが・・・

普通コンクリ大仏といえば打ち放しか白ペイントが相場だがここのは見事な赤光りである。

高浜市にある高浜大観音は陶製だがここも常滑焼きの大仏か?と思うような光沢と色彩である。

個人的には面白いと思う。

恐らくこれは後日塗り替えられたものだろう。台座正面の紋や手摺の部分のペイントも特徴的だ。

大仏さんの説明書きの看板が造られたのが1988年なのでもしかしたらその時に塗り替えられたのかも知れない。

 

左手小指に雀がとまっているの図

 

大きさは台座込みで14メートル。本体は7メートルである。

この大仏さん、古い、という事の他にもう一つ特徴がある。

それは光背持ちという点である。

光背は通常の屋外の大仏さんにはまず見られないものだ。

技術的にもコスト的にも厳しいこの光背、透かし彫り風にしてあり、背後から見るとそれなりの努力を感じさせてくれる。

さて、台座の後ろの部分に扉がある。どうしましょ。

あ、鍵がかかってない。

じゃ、入りましょ。おじゃましま〜す。

  

中に入ると正面に阿弥陀如来がまつられている。

奉納者の名前が書き込まれた壁面は綺麗にペイントされており、昭和初期の面影はない。恐らく本尊も塗り替えられたのだろう。

お、左右に階段があるじゃないですか。二階建てですね。正面向かって左の階段を登ってみる。

 

二階の正面には壁に直書きの仏画をバックに仏像が2体安置されていた。これまた近年描かれたモノだろう。

しかし左の仏様は飽きちゃったらしくチョットお隣さんに寄り掛かったりしています。

 

上を見上げると天窓と吹き抜けがあった。

 

 

天窓は丁度大仏さんの股座か蓮華座の辺りだと思うのだが外から確認してもどこなのか良く判らなかった。

 吹き抜けは恐らく大仏さんの頭部まで貫通しているものと思われる。

ちょっと大袈裟な見方かも知れないが、この吹き抜けは単なる空きスペースでなく、この大仏が一種の建築物であるという事への意思表明ではないだろうか。わざわざ内壁を設けているということは見せる事を前提に造られたものと考えられるからだ。

吹き抜けの内壁には幾つか四角い穴が開けられていた。中には一体何があるのだろう。

 ううう〜登ってみたい〜

 

 そういえば一階からニ階に上る左右の階段のところにも謎の四角い穴が開いている。

もしかしたら中に小部屋でもあるのかと覗いてみたが真っ暗で何も見えなかった。

取り敢えずフラッシュを焚いて中を撮ってみた。

で、写ったのがこちら。

  

手前左に蜘蛛がいるだけでがら〜んとしている。

しかし剥き出しのコンクリートの空間には仏像が彫刻から建築になった昭和初期の空気が漂っているようではないか。

 

 この浄福寺とは関係ないと思うがすぐ近所にこんな閻魔堂があった。

 

中にいる閻魔様もさる事ながら左右に立つ鬼がウルトラ秀逸でした・・・

(情報提供はへりおすさんです)


2001.12.

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