達磨寺/北海道



夏である。

北海道である。


久し振りの北海道、今回はあまり無理をせず札幌と旭川周辺に的を絞ってウロウロする予定。

空港近くでレンタカーを借り最初に向かったのは北広島市のこちらのお寺。




達磨寺

曹洞宗の寺院である。



何と表現したら良いのだろう?

北海道らしいといえばらしい、セルフビルド魂に溢れた寺である。




素敵すぎるファーストインプレッションに軽く眩暈を憶えつつ境内にお邪魔しますよ。




まず目についたのはこの真っ赤な太鼓橋

上流の方から水が流れてきて小さな川にはなっているもののこんな立派な太鼓橋を架ける必要性が全くないのだが。

そしてその太鼓橋の袂や途中には何故か赤い丸ポストが並んでいる。

もうすでにこの時点でココがお寺であることを半分忘れかけている私。

北海道のお寺ってこんな感じだっけ?←いや、ないない。




太鼓橋の隣にはこれまたセルフメイド感ムンムンの構造物が。

何となく熊本の宝来宝来神社を彷彿とさせる造りだ。




ガラス張りの三角屋根の中には鐘が吊るされていた。

つまり鐘楼、という事なのね。




その鐘楼の向かいには閻魔堂が。

躯体は巨大な樽を転用しているみたい。




中はこんな。

恐ろしい顔の閻魔大王が鎮座している。

酒の供え物が多い。やはり酒樽なのだろうか。




さらに気になったのがこのポスト。

ポストの口からだら~んと金色の舌が出ている。

これは舌(うそ)供養のポストで、うっかり口を滑らせたりウソをついてしまったときに反省するためにこのポストに舌の形をした絵馬を投函するのだという。

絵馬は本堂の中で販売していた。

ちなみに先程の太鼓橋にあった丸ポストも願い事別に投函する所が分かれていた。





で、本堂。

入口こそ破風がきってあるものの、とてもお寺には見えない。

ここまでが既にお寺っぽくないので、かえって違和感はないんですけど…。




中に入ると案の定、お寺っぽくない雰囲気。




しかし堂内には数えきれないほどの達磨コレクションが。




ご婦人が達磨さんを背負っている。

一体どんなストーリーがあるのだろうか…




イモータン☆ジョー!って言っているに違いない。




本尊は厨子の奥にあって見えないが、達磨尽くしのお堂であった。




堂内にあった300年後のこのお寺の風景。

たとえ300年かかったとて、このアグレッシブなお寺がこんな普通の寺院になるとはとても思えないのですが。

どちらかというとサグラダファミリア方面の完成図が私の瞼の裏には浮かんでくるのですが、如何でしょう?




本堂を出るとさらに奥まで寺域は続いている。

予想外に敷地が広い。

成程、300年後の大伽藍の敷地だけは既に揃っているのですね。

大きな観音像が小川の辺に建っている。




さらに3体の大きな石仏の前に12体の石仏が並んでいる。

観音様やお地蔵さんに混ざって二宮金次郎がいたのが面白かった。




そこから先は沢山の地蔵が延々と並んでいた。




地蔵には台座にそれぞれの名前が刻まれていた。




元気地蔵とか亨ちゃん地蔵とかはてな地蔵とかニコニコ地蔵とか…

手を合わせるのも億劫になるくらいのネーミングのお地蔵さんが延々と続く。




その傍らには猫の石像が。




さらに進むと親子熊の石像が。

一見ユーモラスな雰囲気だが、子連れの母熊って気が立ってて怖いんですって。




勢いの良い滝が見えてくると寺の一番奥となる。




まとまりのないような、それでいて全体に通底する「何か」を内包してそうな、そんなお寺でした。



2022.08.
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