福井県に個人の方が建立した
セルフ大仏があると聞きつけてお邪魔してきましたよ。
訪れたのは敦賀市郊外ののどかな農村地帯。
田んぼの向こうに見えてきたのはド派手にペイントされた建物だ。
直接アタックする前に近所で作業をしている方に話を聞いてみることにする。
こうすることで近所の人の評判、作者の人柄など貴重な情報が得られるからである。
本丸を攻めるにはまず外堀から。うむ、我ながら策士よのお〜。
あのう…すいませーん!
…と思ったらこの方こそがファンキーな家を建てた張本人だった!
そうなれば話は早い、時には本丸を攻めるにはまずは城主を、なのである。
まあ、今にして思えばユンボに描かれたイラストに
若干の予兆はなきにしもあらず、だったような気も…。
おじさんに話を伺う。
元々普通の家だったのだが、外壁を塗り替えている際に
創作意欲がスパークしちゃったそうな。
本来は単色に塗るつもりだったのに、龍や虎を描き始めちゃった。
そうなると
溢れ出る創作意欲に歯止めが効かなくなり、屋上に城を建てるわ、大仏は建立するわ、と素敵過ぎるパラダイスになってしまったのだ。
何でも以前、ナニコレ珍百景に出たことがあるらしく、タイゾーさんがどうのこうのと仰っていた。
この番組あまり見たことないのだが、こんな素敵なところを紹介しているのならよく見ておけばよかった。
と思いつつ未だにほとんど見てないのだが。
というわけで、おじさんに許可を得て撮影させてもらう。
住宅の北側。
壁一面にファンキーな絵が描かれている。
中央に巨大な龍。左に虎、上に鷹、下に白馬。そして右には観音サマと滝の絵が見える。
通りに面した場所に大仏さんが建っている。
大きさは6〜7mといったところだろうか。
住宅と田んぼしかない場所ではかなりのインパクトだ。
ブロンズっぽく着色しているが、もちろんペンキ塗り。
一見コンクリ仏っぽいが、おじさんの話では発泡スチロールの削り出しだとか。
立ったまま昼寝しているような表情とか両手の印相とか
手作り感満載で見ているこちらも緩〜い表情になってしまう。
何でも交通安全を祈念して建立したのだとか。
別棟の屋上には城が建っている。滋賀県の
小谷城を模したという。
ちゃあんと城門まであって本格的だ。
城自体も頑張れば一人位は中に入れるサイズ。
周辺にも何やら楽しそうな動物などがちらほら。
作業を終えておばさんが帰ってきた。
この建物の感想を述べると、やや困惑気味。
まあ、おじさんが独断でやってる事なのだろうから、おばさんにハナシふっても仕方がないか…。
南側。こちらが正面になる。
こちらにも巨大な龍が描かれているが、北面に比べればややおとなしめ。
とはいえ描かれた龍や僧の精巧さからするとこちらの方が後から描かれたように思える。巧いもの。
建設設備関係を生業にされているだけに手先は器用なのだろう。
テラスや階段などもお手製っぽくて凄く楽しそう。
福井の理想宮建設はまだまだ終わることはなさそうだ。