辯天宗冥応寺/大阪府茨木市
大阪の茨木市にある冥応寺は辯天宗の本部である。
辯天宗とは奈良県五条市に総本山がある、いわゆる新宗教だ。
辯天宗というとあまり馴染みがないかも知れないが高校野球で有名な智弁和歌山高校をはじめとした様々なグループを有する、関西では比較的有名な教団である。
そんな辯天宗の大阪本部は昭和39年に開かれた。
桔梗丘と呼ばれるこの場所は新興宗教にありがちな閉鎖的な雰囲気はなく、近所の人達が気軽に散歩に来るようなオープンな感じが印象的だった。
実際、夏の花火大会などはPL教と並んで大阪の夏の風物詩で、意図的に信者以外にもオープンにしようとしているように思える。
本堂の外観はかなり奇抜。しかし中に入ると普通〜のお寺のような雰囲気で外と中のギャップが面白い。
その他、色々見どころはあるのだが、ここで話題にしたいのは水子供養塔というタワーである。
この塔は昭和56年に完成した高さ73メートルの塔である。勿論日本一の規模を誇る水子供養塔である。
写真では分かりにくいが裾の方のシェル構造の部分は青、その上の塔の部分は下の方が緑色、で上に行くに従って赤くグラデーションが付いている。
その緑色から赤く変化して行くタイルがぜーんぶ子供の顔のタイルなのである。その数2万5千枚。
タイルの種類は3パターン。合掌する女の子と男の子、あと顎に手を当てた男の子。
この3人の子供×7色=21パターンのレリーフタイルが隙間なく埋め尽くされているのである。
水子供養塔の全景。上三分の二は水子タイルでびっしり覆われている。
考えようによってはもの凄く壮大な塔である。
壁面はこんな感じ。2万5千人の子供がびっしりと。
スぺーシ−な外観の割には先端だけは伝統的なスタイル。
塔は池の中央に建っている。
中央には八本の手に七人の子供が乗っている金の観音像が。
・・・と思ったら慈母辯才天女というそうです。
地下には納骨堂のような奉祀室というスペースがあり20万体の霊位が奉祀できるようになっているという。
ちなみに辯天宗の施設なれど宗派は問わないそうです。
境内の外れには万国戦争受難者慰霊塔というかなりキテレツな塔が建っている。
どうもこの慰霊塔といい水子供養塔といい本堂といい、何とな〜く1960年代の未来建築を現実化したような感じのデザインだ。
思えば万博公園もここから比較的近い。これって万博の影響?
2004.5.
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