越南珍寺劇場2


ChuaButThap/寧福寺





14年ぶりのベトナムの旅はハノイからスタートする。


南北に細長いベトナムの北部の中心都市でありベトナムの首都ハノイ。

言うまでもなく、ホーチミンに比べれば静かな街だ。とはいえ街中のバイクの数はやっぱり凄い。



そんなハノイの郊外の寧福寺という古刹を目指す。






途中、山の上に結構いいサイズの大仏が見えたりして、寄り道魂がムクムクと沸き起こってきたのだが、
寄り道していたら確実に日が暮れてしまう時間帯だったのでガマン。


ちなみにこの日は冬のハノイらしく見事な曇天

寒いし、暗いし、ただでさえテンション低めなのに輪をかけてテンションが下がって来るじゃないか。

そんなハノイの車窓であった。





しばらくすると寺に着く。

ハノイでは比較的有名な寺だと聞いていたが、観光客は我々の他に数名いた程度。





寺の創建は13世紀、境内の建物は17世紀のものが多い。

ベトナムでも屈指の古刹である。


一応ベトナムの仏教事情をおさらいしておくと、この国の仏教は他のインドシナの国々と違って大乗仏教である。



歴史的に中国からの影響が強い国なのだ。

現在ベトナム語はアルファベット表記だが、お寺の扁額などは全て漢字表記である。




伽藍は一直線上に山門、鐘楼、前堂、上堂、積善庵、中堂、御影堂、後堂と並ぶ。


お目当ては積善庵という建物なのだが、他も興味深い。



伽藍全体を回廊が囲むような形になっている。




全て木造の建物なので何となく親しみが感じられる。




回廊の屋根はフジツボみたいな瓦止めが付いていた。




堂内には歴史的に貴重な仏像が並んでいる。


いわゆる国宝級の寺だが、日本の古刹のように歴史がある事だけを誇示するような雰囲気ではない。



こんな飾り物や




こんな飾り物がぶら下がっているのだ。



    

国宝級の仏像以外にも新し目の仏像がたくさんある。



ベトナムの仏像の特徴はこのキラキラ感だ。


    

漆で仕上げてあるので全体がテカテカキラキラしているのだ。


この影響を受けて、さらに近年作られるようになったコンクリ仏もペンキを塗った上にさらにニスで仕上げるのでピッカピカになっているのだ。

この光沢こそが近現代ベトナム仏像の特徴といえよう。



ありゃ。ホーチミン爺まで神様になってらあ。







さて。




前置きが長くなってしまったがいよいよお目当ての積善庵である。



一見、普通の三層の建物。




しかし中に入るととんでもないモノが聳え立っている。





三層分の吹き抜けをぶち抜くように巨大な仏塔が立っているのだ。




塔の高さは7.9m、九層八面の木製の塔である。




何が凄いかというと、この巨大な塔、手で回せるんです。




回転式の仏教装置といえば思い浮かぶのは経典を納めた厨子をグルグル回す輪蔵や凡字が刻まれたマニ車だろう。

ところがここの回転塔は9層7.9mの巨大なもの。





本当に回るんだろうか…

塔の一番下の部分についている持ち手を握って回してみる。

うむむ。全然動かないぞ。


後から来たベトナム人観光客も加勢してくれたが、やはり回すには至らなかった。




ただしまるで動かないのではなく、もう少し頑張れば動きそうな気配もあったので、ひょっとしたら何人もの手で動かすモノなのかもしれない。

あるいは見えないところにストッパーが付いていたのか…。



回転塔の両サイドには阿弥陀仏が鎮座している。




塔を囲むように階段が付いており、上に登れる。




2層目。




回転塔の各層には仏像が安置されている。

各フロアから仏像が間近に見ることが出来るのだ。





一番天辺。





塔の一番下の部分。

巨大な塔が一点で支えられているのが判る。

これだけ巨大な塔が回転するなんて、想像しただけでなんとも愉快じゃないか。

自力で回転させることは叶わなかったが、吹き抜けをぶち抜く巨大な塔が拝めたので大満足、なのである。








おや、雨が降ってきたようだ。

そろそろ退散しますか。







屋外で補修作業をしている兄貴に遭遇。

雨が降ってきたが、気にせず黙々と作業をしていた。











結局ハノイで訪れたのはこの寺だけ。

思えばコレが2017年の初詣だった。





次へGOGOGO!

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