信頼できる筋から福岡県嘉麻市にファンキーなお寺がある、とのタレコミがあったので行ってみることにした。
お寺の名前は
黒隅寺。真言宗のお寺である。
嘉麻市は筑豊南部に位置する。
県のほぼど真ん中、ということは言い換えれば福岡、北九州、久留米といった主要都市からはほぼ等間隔に「遠い」エリアという事になる。
とはいえ田川や飯塚、直方といったハードコアな筑豊三都ほどはゴリゴリ感も薄い。要はのんびりとした街です。
ちなみに嘉麻市の観光大使はおすぎだとか(カマ…)。
そんな嘉麻市内を×の字に走る国道211号と322号の交差点近くに黒隅寺はある。
車を走らせているといきなりこんな光景が。
うわあ、
何だかゴチャゴチャしてるなあ。というのが第一印象。
その後、その第一印象は覆されることはなかったです。はい。
渋い仁王像が護りを固める歩行者の入口。
道路に対してやや高い位置にあるので余計ゴチャゴチャした感じが強いのだろうか。
駐車場に車を停め早速拝観させていただきますよ。
訪問時は桜の花が咲き誇っていた。
桜に負けないボリュームの
大量の赤い幟にお気付きいただけたであろうか…。
駐車場から境内に入って最初に出迎えてくれるのはお地蔵さんと薬師サマ。
片足を下に垂らしたお地蔵さんは福徳延命地蔵尊と記されていた。
光背の中に眷属が2体いるのがお地蔵さんとしては珍しいかな。
他にも福よせ地蔵尊とか癌封じ大師とかちょくちょく
フックのあるネーミングの仏像が林立しているのだ。
この辺ですでに普通のお寺とは一線を画する「何か」が色濃く漂っている。
桜の花に見とれているとその背後に巨大な不動明王がおわすのに気が付いた。
おおお、デカいぜ!
金色というか鈍く輝く黄土色、といった色合い。
この大不動像、まったく同じ型のものが日本各地に存在するので皆さんも探してみてくださいね。
足元には大量のミニ不動明王。信徒さんが奉納したのだろうか。
ずらりと並んでいてえも言えぬ迫力がある。
桜の花の間から顔を覗かせるお不動サマ。
憤怒の表情ながらまんざらでもない感じがするのは気のせいか。
ところでこの大不動明王像の足元に凄い方々が連なっている。
皆さん燃え盛っております!
何だか凄い迫力でございます!
小春日和なのに何故か猛烈に熱いサウナに入っているような気分になって来る。
倶利伽羅不動だそうな。
後ろの龍の方が迫力ありすぎて、青いお不動様もチョット困惑気味。
こちらのお不動様も気合充分!!
足元の龍の造形も細かく、かなり気合を込めて造形した逸品となっている。
これは私見だが、
九州北部の不動明王って異様に気合の入ったものが多いような気がする。
後ろのファイヤーの造形とか色とか龍とか。
この地域では他の地域に比べて
不動明王に過大な期待を寄せているのではなかろうか、と勘ぐってしまう。
お堂の前にはお地蔵さんがズラリ。
さらに大きな観音様。慈母安産子安観音。
とにかく金色の装飾が目立つ。
最初お経が書いてあるのかと思ってちょっとビビったが、よく見たら細かい装飾品だった。
他にも境内には
自由すぎる不動様が点在していて楽しみは尽きない。
こちらの不動様もなかなか。
国道を挟んだ向かいにも仏像が並んでいる。
左右に十二支守り本尊、そして中央には平成11年に亡くなったこの寺の前住職の像が。
本堂はじめ各諸堂、先ほど紹介した大不動明王像や子安観音像などを建立した、いわば今の黒隅寺を作った人物といって間違いなかろう。
台座の碑文には九州一大不動とありましたが、福岡県下でも一番ではないことを小さな声で指摘させていただきます…。
境内の看板の字体も気合充分!
特にこの看板が好きでした。
筑豊南部に花咲いた真言密教ワールドはなかなか混沌としておりましたよ。
以上現場からでした。