Roadside SriLanka part1/ロードサイド☆スリランカ その1



さてさてスリランカ佛教最前線と称して現地大仏レポートをお届けしているわけだが、ここでブレイクタイム。

スリランカを旅しているとどっこにでもあるのが路傍の仏像




日本では路傍にある仏像といえば小さな石のお地蔵さんがひっそりと、てな具合だがここは大仏帝国スリランカ
道沿いやロータリーには数メートルもの大きさの大仏さんが鎮座しているのだ。

わが国でもたまに仏具屋の屋上や幹線道路沿いのお寺などでロードサイド仏を見かけることはあるが、スリランカの大仏はそんな「たま〜に見かけます」といった程度では済まされない超高濃度分布地域

日本で例えるならば、ガソリンスタンドとかコンビニくらいの密度と言っていいかと思う。
間違いなくユニクロや吉牛よりも多い。

街のメインロードやロータリー、大きな交差点や分岐点はかなりの確率で、大仏さんの格好のステージと化しているのだ。


この大仏建立の趣旨はイマイチわからなかったのだが、まあ、単なる交通安全祈願ではないのだろう。
コレは私見だがスリランカ仏教界全体の「俺ら仏教やってるぜ!」みたいなアピールなのではなかろうか。

と、いうのも実はこのスリランカではロードサイド仏陀だけでなく、キリスト教やヒンズー教もロードサイド神様スタイルを採用しているのだ。それらが国中の道を闊歩している状況をみると改めて各宗教がせめぎあう佛教最前線地帯なんだなあ〜、と感じいってしまうのである。

そんなロードサイド神様仏様の姿をどーぞ。




スリランカ到着後、ニゴンボで最初に見たのがこの小さな祠。





最初は意味がわからず何気なく覗き込んでみたのだが、そこには小さなキリスト像がいた。
その時はあまり気にしなかったのだが、その後車で走っているとあるわあるわ。

ニゴンボからコロンボは一大ロードサイドキリスト地帯であることが判明したのであった。

    


その後、仏教徒の多いといわれる南部に行けば行くほどキリスト教関係の像から仏像に変わっていく。
この国の宗教分布のグラデーションを見ているかのようだった。


これはコロンボの少し南あたりだったか。数があまりにも多かったので、どこがどこの仏サマだったか忘れちゃいました。



こんな具合に道沿いやロータリーに次から次へと現れるロードサイド仏陀。
多くがガラスケースに収められ、大切に扱われている御様子。

    


一方こちらは国会議事堂以外ほとんど何もない首都コーッテ(スリジャヤワルダナプラ)。
国会議事堂のすぐ近くの湖のほとりにある大仏さん。名称はわからないが立地からいってさぞかし名のある大仏さんなんでしょう。
これは路傍系の大仏さんではなくお寺の一画に立つ大仏さんである。



さらにその湖の別の場所にあった大仏さん。こちらも立派ですね。




もちろんたまにはロードサイドキリストもあるが東南部の場合、圧倒的に仏陀像が多かった。

    


宗教関係の像だけでなく時にはスーツや軍服を着た人物像も見かける。
地元に貢献した政治家や財界人や軍人だったりするのだろうか。




コブラの下に座る大仏さん。

    


街中に普通〜にある大仏。こんな風景が一番スリランカらしいと思う。

    




時たま墓地に木組みのゲートのようなものがある。



これはこの墓地で埋葬がある、というサインだ。
ゲートからはロープが張られ白いビニール紐で作られたリボンがたなびいている。
この白いリボンは基本的に死者のサインのようで、葬式がある家の前にはこの白いリボンが並んでいた。




ゴールロードを南へ南へと車は進む。
南部は先のインド洋大津波で特に被害が大きかったところだ。



南部の都市、ゴールの手前、ヒッカドゥ辺りには津波で破壊された住宅が放置されていた。
ニュース映像で見た津波の映像からは想像も出来ない激しい津波の傷跡。
場所によっては2キロも内陸まで津波が達したそうだ。


改めてご冥福をお祈りします。




そんな津波被害者の追悼のためにヒッカドゥアに作られたのがこちらの大仏さん。

    

これは日本の(京都の駅前にある)教団がつくったもので、犠牲者の名前を刻んだ石碑もある。
被害者の関係者なのだろうか。石碑の一点をいつまでも見つめていた。



ゴールのロードサイド大仏。おじいさんが掃除をしていた。
南国のスリランカなれど大仏の背後には雪山が描かれている。
スリランカには仏陀が3回訪れたという伝説がある。




その仏陀の聖地である北インドやネパールへの強烈な憧憬なのだろうか。
そんなあたりに東南アジアのようなのんきな仏教とは違い、どこか深刻なイメージがあった。



数十メートル級のメガ大仏もいいが、スリランカの宗教事情を最も豊かに語っているのはこの路傍の神様仏様なのかもしれない。

次の大仏へGO!


スリランカ仏教最前線


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