Wewurukannala Vihara〜大仏編〜/Dikwella




さて、いよいよ大仏遊びの時間です。




と、その前に大仏さんの前の庭チェック。
等身大のコンクリ坊さんが並んでいるのだが、何故かスーツ姿の人が。誰?

    


気を取り直して大仏に向かう。

1960年代に建設されたという大仏さん、若干コメカミの辺りに補修の跡が窺えるが全体的に状態は良好である。

アタマの後ろに放射状に伸びているのは参拝者のお願いをキャッチするためのアンテナ、ではなく一本一本に電球が仕込まれた光背である。
夜になるとライトアップされるのだろうか。見たい。

頭の上にあるねじりんぼうは…何でしょ?まあ、大事なモノなんでしょう。毒っぽい3色ソフトクリームみたいですね。



横から見るとこんな感じ。

それにしても大きい。

某ガイドブックによると高さは50メートルもあるという。
後ろの10階建ての建物よりも高いので確かにその位の大きさはあるのだろう。

先に紹介したWeherehenaTempleの大仏さんよりもねじりんぼう分だけ大きいという感じですかね。
まあ、見た目そんなに変わらないような気もするが。




大仏の胎内には入ることは出来ないが背後の背もたれ状の建物に入ることが出来る。
大仏さんの右側に入口があり早速おじゃましますよ、っと。


内部は何となく予想はしていたのだが、やっぱりイラストみっちり。
「壁が空いてたらとりあえず描く!」スリランカ仏教界の不文律である。



    

何故か地元のコドモがカメラを向けるとささっとフレームに入ってくる。

最初は「ああ、写真に写りたいんだな〜」とあまり気にしなかったのだが、このままではガキンチョ写真集になってしまいそうなので「ボク、チョットどいてくれるかな〜」と言うと「どいてやるから100ルピーくれ」と言われてしまいました…
うむ〜物乞いもここまでくると立派なもんだ、と妙に感心した。

「絶っ対払わないかんな」と言ったらあっさり退散したが、後で写真を見てみると端っこの方にちょっぴり写ってたりして。
くぅ〜、ガキンチョめ…


イラストの方は相変わらずの劇画調。先ほどの地獄で見たようなポンチ絵はなかった。
壁はもちろんの事、階段の裏側にまで描き込む根性には恐れ入りました。
まあ、よくそこまで描く題材のある事よ。

    

3階、4階と上っていく。

イラストで埋め尽くされているものの、それ以外は何もない単調な造り。
死亡の塔みたく各フロアにボスキャラがいてくれてもこちらは全然構わないんですけど。

    


よく見ると結構邪悪キャラがあちこちに。
矢を打ちこまれた毛濃いお方は先ほどのWeherehenaTempleでも見かけたような…

    

↓何故か海難救助。




↓何故か衝撃シーン。




そんなこんなで7階まで上って来た。
矢印があり、それに従うと一回テラスに出てさらに8階に到る外階段がある。

やや単調なフロアが続いたがいよいよここからが大仏ギミックの本領だろうか。



で、8階。

部屋はやや狭く入り組んでいるが、その先にまたしても例のガキンチョが。
…100ルピーくれ…だからあげないっつーの。




そのガキンチョの背後にあるモノを見てビックリ!!!!

こ、これは…



大仏さんの後頭部がめり込んでいるではないかっ!!!!



タイルで仕上げられた螺髪はまるで巨大タニシの群れのようだ。
ということは、下の黄色い部分は…うなじぃ?

しかも螺髪の一箇所が抜けてガラスが嵌められている。
…つまり、大仏さんの脳内世界を見ろ!って事ですね。

ハイハイ、謹んで拝見させていただきますよ。



これが大仏さんの脳内世界である。
柱を中心にめくるめく脳内革命が展開されている。



中央には仏陀像、これが仏教を司る海馬かと思われる。
その周辺にはミニチュアのストゥーパ、これは小脳。
もちろん中央の柱は延髄。

そして外側には仏陀像、ストゥーパを囲むように素焼きの筒が並んでいる。
中身は知る由もないが想像するにありがた〜いお経が入っているのではなかろうか。つまり意思を司る前頭葉ですね。


さらに上部はめくるめく仏教カラーでスパイラル昇華。
見る者の魂を十万億土まで連れてってくれるグッドトリップ感満点の脳内であった。

大仏さんの頭の中は仏教の事でいっぱいでした。


大仏さんの脳内を覗き見る、という史上初の大仏ギミック
そもそもこの建物は脳内拝観のためだけにあるといってもいいだろう。


    

感動の内に外に出ると大仏さんの頭部を間近に見られる。
もちろん後頭部は建物にめり込んでます。その上にはカラフルなねじりんぼうが聳え立っている。
下から見たら大した事はないように思えたが近くで見ると意外とデカイ。

それにしても何でこんなねじりんぼうを付けたのだろう?
ひょっとして大仏さんの高さのかさ上げのために付けたのではなかろうか?

これは私見だがマータラのWeherehenaTempleの大仏さん(便宜上赤大仏とさせてもらいます)とここの大仏さん(こちらは黄大仏ということで)は高さ比べでもしていたんではなかろうか?
時系列をおさらいするが赤大仏の建立が20世紀初頭。で、黄大仏の建立が1960年代。
さらに赤大仏の覆屋が同じ頃に建設されている。

…スリランカ最南端、仏教最前線の唯一無二の守護神として君臨していた赤大仏に対してねじりんぼう分だけ大きいニューカマー黄大仏が登場。それに対抗するために赤大仏サイドは覆屋を建設し…そんな図式が見えてくるのだが、実際には両大仏の正式な高さや正確な建造時期がわからないので私の脳内世界の想像という事でご了承下さい。

さほど遠くない場所に同じような規模で似たような大仏登頂システムを採用しており、しかもイラストだらけ。
そんな共通点が多い両大仏間には当然何らかの影響があるはずだと思った次第です。

あ、もしかしたらどっちも同じ人が造ったというパターンもアリかも…





地上に戻ると参拝の時間なのだろうか、大勢の白い服を来た女性達が集まってきた。




大仏さんの前にあったモダンな建造物。コレは鐘楼…という事でよろしいんでしょうか?



振り返れば大仏さんがデーンと鎮座している。
下から見る分には頭の上に何があるのかすらよく分からない。


たかがねじりんぼう、されどねじりんぼう。ですな。


次の大仏へGO!


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