谷汲山華厳寺/岐阜県





谷汲山華厳寺は西国三十三ヶ所霊場の三十三番目、つまり結願の札所である。


那智の青岸渡寺から始まり、関西各地の名刹を巡る長き旅の終着点なのだ。





そんな巡礼のフィナーレを祝うかのように参道には様々な店が並んでいる。




土産屋は当然として、仏具店も。






そして素通りを許さないのがこちらのお店。




青い店舗もさることながら、その商品ラインナップたるや、彼岸の品揃え、なのである。




さらにその展示方法はドンキもビックリの圧縮陳列っぷりなのだ。




カオス!





カオス!





またカオス!






そんなカオティックワールドに君臨するのが水晶で出来た不動明王像

どうですか?この活きのよすぎるファイヤーパターン。

爆発する炎の中から不動サマとその眷属が降臨してるっぽくて恐ろしくカッコいい!



俺が金持ちだったら速攻で買ってたのにい〜。スゲーかっこいいなあ〜、欲しいなあ〜フドー・ザ・クリスタル。


ガラス越しにトランペットを見つめる黒人少年のようにずーっと見入ってしまいましたよ…。






他にもこんなカオス感満載な店や。




逆に解脱しきったような店など、枚挙にいとまないのだが、お店紹介のサイトではないのでこの辺で。













そんなこんなでやっと山門にたどり着いた。




はー、ここまでで寿命が3年ほど縮んだ思いですわ。





丁度この頃、全国の仁王を行脚されている方と知り合いになって、その深遠なる世界を垣間見たばかりなので山門の中におわす仁王サマが妙に気になって気になって…。






山門を潜るとその先は段々山深くなってくる。




石段を登っていくと…




本堂に到着。





本堂の柱には鯉のレリーフが取り付けられている。



これは精進落しの鯉と呼ばれている。


潔斎をもって望んだ巡礼の最後にこの鯉に触れて精進落しをするのだとか。



大勢の参拝客がこの鯉に触れていた。






本堂内のおびんずるさま。



私は数ある仏(?)像の中でもおびんずる様が好きだ。

触ることのできる彫像であると同時に、触られすぎて漆が剥げ、目が飛び出し、グロテスクな容姿になっているところに惹かれるのだ。

仏像をキレイに保存することなど信仰の本質において何の意味もない

その事をこの像はなによりも雄弁に語っているのだ。




このまま全身の漆が剥がれ、目玉がこぼれ落ち、最後には何の像なのかも判らなくなるほど摩滅してしまうことこそがこの彫像、ひいては賓頭盧尊者にとって最高の幸せなのだ、と私は確信する。



…ハナシが逸れました。





ここからが本題です。







本堂の裏手に小さなお堂が並んでいる。


おいずる堂と子安堂だ。




この日はあいにくの天気だったがどちらも本堂から回廊で連結されているので塗れずに行く事ができた。ありがたや。



そこにはおびただしい数の千羽鶴が架けられていた。







おいずる(笈摺)とは巡礼者が着る白いベストのようなもの。

背中に南無大師遍照金剛と書かれ、中にはこのおいずるに札所の印を押してもらう人も多い。





そんなおいずるが、ここには大量に奉納されているのだ。

三十三ヶ所の札所を全て巡礼して、もう使うこともないのでここに奉納していくのだろう。



右を見ても




左を見ても




大量のおいずるがうず高く積み上げられている。


さらに奥にはこれまた巡礼の相棒である金剛杖と菅笠が大量に奉納されているではないか。


一枚一枚はきちんとたたんであり、丁寧に積まれているのだが、いかんせん量が多いので崩れ落ちそうになっている。


さらに後ろにも茶色く日焼けしたおいずるが奉納されており、この習俗が古くから行われている事を物語っている。


もちろんこのおいずるを奉納したのは西国霊場を巡礼した人のごくごく一部なのだろうが、それでもこの数なのだ。


さらに重要なのは、このおいずるを奉納するには西国三十三ヶ所を巡礼しなければならない。


つまりとてつもない手間隙をかけたスーパーヘビー級の奉納物が大量に集積している場所、なのだという点。


人間の業の深さと念の強さは計り知れないものだ、と実感したのであった…。










お隣にあるのは子安堂。






こちらは打って変わって前掛けが大量に奉納されている。




もちろん願いは子授け、安産、子供の成長といったもの。



子供の痣が消えますように、という祈願が妙に印象的だった。




堂内に納まりきれない奉納物が子安堂の外にまであふれかえっていた。





この先満願堂、奥の院とまだまだ続くのだが、雨がシャレにならない程降ってきたので退散することにした。



阿弥陀堂の一画にあったお地蔵さん。




一体どうしちゃったんでしょう?







その傍らにあった謎の仏像。



上品上生の印を結んでいたけど、どなたですか?



てなわけで先ほど来た参道を歩く。

行きと違ってスゴイ雨なので店の一軒一軒を覗く余裕もなし。

またゆっくり来たいものである。

次に来るときまでにはあのフドー・ザ・クリスタルをポンと買えるほどの金持ちに…なってたらいいな〜。








というわけでここでお仕事募集



小嶋独観、ライターのお仕事を絶賛募集中!

珍寺関係のライター仕事でしたらかなりいい仕事しまっせ。


ギャラは要相談ですが、クリスタルの不動明王でペイできる方を最優先させていただきます!


よろしくオネシャス。











駐車場で見かけたFC岐阜のポスター。



こちらも神様揃いだったぞ。





2014.05.
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