勝川大弘法/春日井市


愛知大弘法巡りの舞台は尾張旭市、守山区に続いて春日井市に移る。

JR勝川駅前から延びる商店街には縁日なのだろう「勝川弘法市」と書かれた幕がかかっており、大勢の人が買い物やイベントを楽しんでいた。

凄い。地元じゃ負け知らず。

これ程、地元で大々的にプッシュされている弘法大師もなかなかないのではなかろうか。

で、その商店街から一本入った小道に面した狭い敷地の寺の奥に問題の大弘法像は立っている。

高さは18メートル昭和3年に出来た、ということは今まで見て来た大弘法の中では最初に出来た大弘法、ということになる。

恐らくここの大弘法にインスパイアされて周辺各地に大弘法が建立されたのではなかろうか。

頭が大きくていかにも昭和初期のコンクリ仏らしい造型。昭和天皇即位の記念として建てられたというあたりもいかにも戦前コンクリ仏っぽい。

原型作者は雲岳という人物。建立者は山口悦太郎という地元の篤志家、というか素封家の方だそうです。

寺の名前は崇彦寺。

大弘法の足元の小さな庭には幾つかのコンクリ像が並んでいる。

まず目に付くのは不動明王。

背後にまわるとファイヤーパターンの裏側に「御大典記念」の5文字を背負っている。ということは大弘法と同じ時期につくられたものと考えられる。

何だか特攻服みたいっすね。

その他、不動様の眷属や観音像などが狭い敷地に立っている。

 

 

下の写真は完成時の記念写真。出典はどこだか忘れちゃいました。

最初は笠、かぶってなかったんですね。誕生が昭和3年の割には綺麗なので何度か塗り替えを行い、その際に笠を追加したのだろう。

先程見て来た御花弘法大師に比べるとかなりの高待遇だ。

大弘法の裏手に回ると台座の下が小部屋になっていた。

中に入ると、中央に弘法大師像そしてその回りにはびっしりと小さなミニチュア大師が並んでいた。

あまりの数のミニ大師像に真ん中の大師サマも少し肩身が狭そうである。

徐々に赤味を増して来た夕日を一身に受けて街の繁栄を見守る大弘法さん。

全身のバランスの割には顔とか手とか細かいところはちゃんと作り込んである。

 

でもチョット引くとこんな感じ。

かつては周辺は広々としていたというが今や周囲のマンションや住宅に埋没しかかっている。

密集した市街地に立つその姿は新潟の弘法大師を思い出させる。

 

とかく大仏やら大観音は近所の人達に胡散臭がられたり嫌われたりしがちだが、ここの大弘法は街の人達に大いに愛されているのが印象的だった。

これからも街のシンボルとして大弘法さんを宜しく頼みますよ。


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